東京都水道歴史館は、東京の水道の歴史と技術について展示している博物館です。文京区本郷にあります。
玉川上水や淀橋浄水場などの江戸時代の上水から、近代水道を経て、現代の最先端の水道に至る歴史と技術を展示しています。
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 毎月第4月曜日(月曜日が休日の場合はその翌日) 年末年始(12月28日~1月4日) |
入館料 | 無料 |
アクセス | 水道橋駅、御茶ノ水駅、本郷三丁目駅から約8分 |
東京メトロ丸ノ内線の御茶ノ水駅から徒歩で向かいました。
外堀通り沿いを進むと順天堂大学7号館の白い建物が見えてくるので、右折します。
水道歴史館が見えてきました。
歴史館の手前の水道局本郷庁舎の建物の前には「災害時応急給水栓」があります。緊急時にここで水が配られるようです。
入場は無料。受付でパンフレットを渡されます。
早速取水塔の実物大の模型がお出迎え。1階と2階とに分かれており、1階が江戸時代の上水システムについて、2階が近現代の水道について。まずは2階から見学します。
2階の展示は特に玉川上水について詳しく解説されています。
玉川上水のほかに個人的に興味をひかれたのはこのジオラマ。かつて神田川の御茶ノ水付近(この近く)に架けられていた上水の橋です。「掛樋(かけひ)」といいます。この水道の橋が架かっていたことからこのあたりが水道橋と呼ばれるようになったそうです。
そんな上水の樋は木製の四角い筒で、江戸中に張り巡らされていました。「木樋(もくひ)」と呼びます。
玉川上水からは千川上水や三田上水などいくつもの上水が分岐していました。
木樋から各集落へは竹の管でこのような上水井戸と繋がっており、住民は共同で水を利用していました。
上水井戸で汲んだ水を各家庭で甕に溜めて利用したそうです。
2階の展示の最後では、江戸の長屋が再現されたスペースがありました。
1階に戻ります。明治以降の近現代水道について時系列に解説されています。
現代の東京では利根川水系からの取水がメインに。技術の発達と努力の末に、東京の浄水システムは世界に冠たる「東京水」として結実しました。
歴史館をあとにして、隣接する本郷給水所公苑にある屋外展示を観に行きます。神田上水の石樋が移築、復元されたものが見られます。
せっかくなので、先ほど歴史館の2階で見た掛樋の跡を観に行きます。水道橋の名前の由来となったあれです。再び神田川沿いの外堀通りに出て、JR水道橋駅の方にしばらく歩きます。
石碑が建てられていました。明治34年まで架けられていたそうです。
現在水道橋と呼ばれる橋はJR水道橋駅前に架かる白山通りの橋です。橋のたもとにも水道橋の由来が書かれていました。
充実した時間になりました。無料でこれだけの展示が観られるのはすごいです。普段利用している東京の水道の歴史と背景を知ることは大変有意義でした。
ぜひ行ってみてください。