東京都では、舟運を新たな交通手段として定着させる取り組みを進めており、現在までに複数の航路を開設しています。
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今回は、昨年2024年5月に開始した、晴海~日の出航路に乗船します。
運賃は大人500円、子ども250円。運航日は毎週火・水・木曜日の朝方です。所要時間は約5分。運航会社は株式会社東京湾クルージング。
晴海側の船着き場は、晴海五丁目船着場(晴海五丁目ターミナル)。東京 2020 オリンピック・パラリンピックの選手村であり、昨年より入居が開始された「HARUMI FLAG」からすぐの立地です。

晴海五丁目船着き場へは、東京BRTの「選手村ルート」が既に開設されており、船着き場に隣接する「B33 HARUMI FLAG(晴海五丁目ターミナル)」バスターミナルから新橋駅、国際展示場駅へバスが出ています。
日の出側の船着き場は、日の出船着場(Hi-NODE / 港区海岸二丁目)。浅草やお台場などからの水上バスが発着する日の出桟橋です。JR浜松町駅まで徒歩10分、ゆりかもめ日の出駅まで徒歩すぐです。

予約は「BLUE FERRY」のホームページから。運航日、運航時間などもこちらからご参照ください。

乗船する2025年秋現在は、火曜と木曜の運航のようです。

私は今回は日の出10:15発の便に乗船します。

なんと、WEB事前予約で半額の250円に!

予約が完了しました。
さっそく乗船しましょう。今年新たに供用開始された浜松町駅の「南口歩行者ネットワーク」を通り、向かいます。これにより芝浦、日の出方面への徒歩連絡がとても楽になりました。

首都高速1号をくぐれば日の出船着き場はすぐ。

日の出船着き場に到着。ゆりかもめの日の出駅はちょっとだけ先にあります。

水上バスの待合所や、シンフォニークルーズの乗り場もありますが、こちらではありません。


向かって一番左手の建物であるHi-NODEに向かいます。

その一番左端にあるラウンジが、BLUE FERRYの待合所です。

内部には快適な座席が設置されており、ここで待つことができます。

時間があるので周囲を散策しました。Hi-NODEの上の階に上がります。左手にはインターコンチネンタル。

船着場には水上バスが今日の運航開始まで休んでいました。

日の出ふ頭へは、東京駅から無料のバスも出ています。

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ラウンジ内にはBLUE FERRY の案内も。


事前購入した人は特に受付はなく、建物を出て船着場に向かいます。スタッフの方にeチケットの画面を見せて乗船します。

乗船するのは、お手洗いも備えた「エスエス3世」。


室内はゆったりした空間が広がります。


天気がいいので2階のデッキで過ごすことにしました。


いよいよ出航です。

すでに奥に晴海のタワマンが聳え立つのが見えます。

左側画面外にある竹芝埠頭からの伊豆諸島への航路を跨ぐように対岸へと向かいます。目の前に広がるのは豊海水産埠頭、月島埠頭。

築地大橋の先に、スカイツリーも見えました。

東京海洋大学の船が停泊しています。遠洋航海の実習船「海鷹丸」です。

右手にはレインボーブリッジとお台場が見えます。

晴海のマンション群がみっちりと建ち並ぶ様子が見えはじめました。現在鉄道のない晴海の方々の通勤路を提供するのがこの舟運。「都心部・臨海地域新地下鉄構想」が東京駅を起点に晴海にも駅を設ける予定ですが、開業予定は2040年頃。臨海地域の交通の整備は喫緊の課題です。

いよいよ豊海・勝どきと晴海を隔てる朝潮運河に入っていきます。

右手には、臨港消防署の大型消防艇「みやこどり」の姿も。

あっという間に晴海五丁目桟橋が見えてきました。

ぐるっと旋回し、到着。

たったの5分間でしたが、見どころが多く、圧巻の船旅でした。湾内なので揺れもなく、ずっと乗っていたいと思いました。

船着場はバスターミナルに隣接しています。

発着するのは主に東京BRTで、他に都営バスとコミュニティバスが運行されています。東京BRTは「HARUMI FLAG(晴海五丁目バスターミナル)」というバス停名です。

東京BRTは現在3系統運行されており、そのうちHARUMI FLAGに発着するのは2系統。主に運行されるのは新橋行きです。もう一つの国際展示場行きに乗れば、りんかい線にすぐに乗り換えられます。

私は新橋行きの「選手村ルート」に乗車して新橋に向かいました。東京BRTでは水素で走る燃料電池バスが運行されています。晴海エリアを出ると新橋までノンストップ。鉄道のないこの地域に欠かせない交通手段として定着しています。

5分の船旅はとても楽しい経験でした。
日本において舟運は、観光目的の一部を除いては交通手段して一般的ではなく、定着に向けた取り組みは一朝一夕には進まないかもしれません。ですが、もともと多数の堀や川が張り巡らされていた「水都」東京では、舟運は街と街をショートカットするのに最適な手段であり、特に臨海部の鉄軌道交通の整備が完全ではない中で、舟運がより気軽に、日常の選択肢として使われればいいと思いました。今後さらに航路が増やされ、より大型の船が通勤客をのせて頻繫に行き交う姿が見られるようになるのではないでしょうか。
江戸で盛んに用いられた舟運が再び復活し、普段のお出かけに、通勤通学に、混雑緩和に、災害時のバックアップにと、新たな選択肢となることを願ってやみません。
まずは気軽に船旅をお楽しみください。
https://www.suitown.jp/lineup/






