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「らくらく舟旅通勤」第二弾、五反田~天王洲航路に乗る<東京都舟運実証実験>

舟運
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「らくらく舟旅通勤」とは

東京都では、東京の舟運を活性化するため、品川区と共同で「らくらく舟旅通勤」と題して実証実験を行いました。今回は第二弾で、隅田川や運河などを活用した複数航路で行い、船での通勤の可能性を検討するものです。

らくらく舟旅通勤 第2弾|東京都
東京都では、舟運が身近な観光・交通手段として定着し、水辺のにぎわいを創出するよう2016年度から取組を進めています。この取組の一環として、令和元年度の夏に引き続き、らくらく舟旅通勤第2弾を実施しますのでお知らせします。

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/10/07/documents/33_01a.pdf

第二弾は2022年10月17日から11月4日まで行われ、6つの航路が設定されました。

①両国~日の出~天王洲 〈500円〉
②日本橋~勝どき(朝潮運河)~日の出 〈500円〉
③豊洲ぐるり公園~日の出~お台場海浜公園 〈500円〉
④天王洲~日の出~勝どき(朝潮運河)~一之江 〈1,000円〉
⑤日本橋~勝どき(朝潮運河)~日の出~お台場海浜公園 〈500円〉
⑥天王洲~五反田 (品川区運航) 〈200円〉

詳細は上記のPDFをご覧ください。

東京都の運航は日の出桟橋を拠点に臨海地区や隅田川・神田川沿い、さらには旧江戸川を進み、江戸川区の一之江まで向かうルートも。品川区の運航は、目黒川を五反田から天王洲まで結ぶルートです。隅田川では頻繁に観光用の船が行き来していますし、臨海地区でも舟運の実施があるので、やはり目を引くのは旧江戸川を一之江まで行くルートでしょうか。

一之江までの便は天王洲から2時間半もかかり、屋根付きのクルーズ船を使用した旅要素の強いもので、お酒も出るとか。一方私が注目したのは五反田ルート。目黒川舟運というのがそもそも面白いですし、五反田から天王洲までおよそ25分、200円と、鉄道利用に対して通勤利用において十分価値のあるサービスです。こちらは屋根のないシンプルな船を使用するようで、私が経験したバンコクのチャオプラヤ川や周囲の運河における舟運やヴェネツィアの舟運に近いもののように感じました。

「舟旅通勤」のサービスとして、フリーWi-Fiが使えたり、日の出から浜松町駅までの無料シャトルバスの運行、また、船着場ちかくの対象シェアサイクル30分無料などがあり、駅から遠い船着場でもアクセス面がカバーされています。

実際に五反田~天王洲航路に乗船してみた

今回私はその五反田~天王洲航路に乗船する機会がありました。五反田航路は朝に7.5往復、夕方に2往復運航され、予約は前日の18時まで。

予約はこちらのサイトから可能です。

東京舟旅
東京舟旅は、舟に乗って東京の水辺をちょっと旅する、をコンセプトに、舟の乗船予約サービスや、東京の様々な水辺のシーンにかかわる情報をご提供するサイトです。ちいさな旅の先に、新しい好きがみつかる。そんな東京の水辺の旅を、楽しんでみませんか。

希望の便を選んで予約し、クレジットカードで決済すると、乗船時に使うQRコードが添付されたメールが届きます。私は朝の五反田→天王洲の便に乗船します。

五反田船着場は、五反田駅から徒歩5分ほどの「五反田リバーステーション」。ちょうど東急池上線のホームの下にあたる場所です。

出発の10分前に「五反田リバーステーション」に到着しました。目黒川沿いに新たに整備された公園で、船着場があります。

すでに乗船する船が停泊中でした。予約確認メールに添付されていたQRコードを提示してチェックインします。

のりばには大きなのぼりがたてられており、係員さんが複数いました。

QRコード提示後、乗船証が渡されます。受付は非常にスムーズ。

時間になって乗船です。飛行機も船もボーディングブリッジはわくわくするもの。

私の乗る便に充当されていたのは第十五平井丸。屋根付きのロングシートのタイプの船です。フリーWi-Fiもありました。

この日の9時発の便は私を含めて5組ほどが乗船。出発直前に天王洲からの船が到着しました。あちらも一応屋根付きのよう。目黒川のこのあたりの川幅は思っていたよりも広く、停泊時は波の揺れが心地よいです。

9時ちょうどに出港です。まず少し川上に進み、方向転換します。目黒川にはゴミが全然浮いてないのが印象的です。

船首を川下に向けて出発です。奥には五反田駅に到着した池上線の車両が見えます。

すぐに山手線、山手貨物線の橋梁をくぐります。

五反田ふれあい水辺広場を左手に、タワーマンションやオフィスビルを見ながら進みます。速度はゆっくりで、航行中は全然揺れません。

いつもの目黒川もこの高さから見ると新鮮。

都心なので橋をいくつもくぐります。下から橋を見るのは楽しいものです。

大崎エリアに入りました。目黒川といえば桜。このあたりにも植えられています。目黒川の下には首都高の山手トンネルが通っています。上にかかる道路等はないので景色は素晴らしいです。

北品川で再び山手線と交差します。大崎駅を通ってぐるっと回って品川駅に向かう山手線と違い、目黒川は直線的に伸びています。山手線の奥には横須賀線と東海道新幹線の線路も。運が良ければ新幹線も見られます。

山手線を過ぎたところで再び五反田行きの船とすれ違いました。あちらは屋根のないタイプの船。

続いて東海道線の橋梁をくぐります。これまでで一番天井が低い橋です。タイミング悪く電車は来ず。

続いて第一京浜をくぐります。奥には京急線の新馬場駅が見えます。川をまたがるようにホームがあります。

数多くの橋の中でも注目すべきはこの品川橋。旧東海道にかかる橋です。このあたりは宿場町でした。

海岸通りの昭和橋をくぐると、河口に出ました。天王洲が見えます。

左に広がるのは天王洲運河です。大きなクジラの絵が描かれた目黒川水門が見えます。こちらには入らず、京浜運河に進みます。

前方に若潮橋を見ながら、船は船首を左に傾けて京浜運河に入ります。

京浜運河は幅広く、多くの船が航行可能。ちょうど東京モノレールが走っていきました。

このあたりは開けていて一段と眺めがよくなります。第一ホテルシーフォートが見えると東品川二丁目防災桟橋に到着です。

ぐるっと旋回し、右舷を船着場に付けます。定刻より早い9:22に到着です。

終始眺めがよく、素晴らしい体験でした。快適性の面でも揺れがなく、室内にいれば風もなく、フリーWi-Fiも便利で、PC作業も可能です。

「東品川二丁目防災桟橋」は「天王洲ピア」とは別なので注意してください。Googleマップでは「東品川二丁目船着場」と案内されていました。

東品川二丁目防災桟橋の目の前に東京モノレールの天王洲アイル駅があります。りんかい線天王洲アイル駅も横断歩道を渡ってすぐ。乗り換えに非常に便利で、近隣へは桟橋のすぐ横にドコモのシェアサイクルがあります。

初めての目黒川の舟旅であっという間の25分間でした。観光要素の強い隅田川、神田川などの舟運だけでなく、こうした目黒川などでの日常の足としての舟運が今後定着したら楽しいと思いました。また、東京ではいわゆる縦の移動が鉄道の課題ですが、河川は縦に流れているので、そうした面のポテンシャルもあると感じました。

公共交通機関として定着するには頻繫に運航されているのが前提で、予約なしで乗れ、天候に左右されないことが重要かと思いますが、五反田航路で言えば、五反田船着場のアクセスはよく、航路がお台場や豊洲、また羽田空港、横浜などに伸びていれば利用価値は十分にあると感じました。

今後の発展に期待です。

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