所沢からぐるっと埼玉県を回ろうと思い、まずは西武秩父線に乗ることにしました。
西武秩父線は、吾野駅まで開業していた西武池袋線を延長し、池袋と秩父地域を結ぶことを目的に1969年に開業。起点は吾野駅ですが、運用上は池袋~飯能間と飯能~西武秩父間とに分かれています。また、特急列車が開業当初から直通運転しています。また、過去には貨物輸送も行っており、吾野からの砕石輸送や、武甲山で取れる石灰輸送を担っていました。
今回は運用上の秩父線である飯能~西武秩父間を各駅停車で乗り通すことに。
飯能駅はムーミンバレーパークの最寄り駅で、随所にそのデザインが施されています。
池袋から飯能までは10両編成の通勤電車が頻繁に走りますが、飯能からは30分に1本の各駅停車と1時間に1本の全席指定特急「むさし」のみ。土休日は早朝に元町・中華街から来る全席指定の「S-TRAIN」西武秩父行きと、夕方にその折り返し便が走ります。
西武秩父線の車両は西武4000系で1988年のデビュー。4両編成のボックスシートの車両です。昨年度まではこの4000系で池袋から西武秩父線、秩父鉄道の長瀞、三峰口まで乗り入れる快速急行が8両編成で走っていましたが、現在は廃止されました。平日に1往復、土休日に2往復ある秩父鉄道乗り入れ列車も各駅停車になっています。(2020年9月現在は新型コロナの影響で直通運転中止)
発車するとすぐに右に大きくカーブし、八高線との連絡駅、東飯能に停車。さらに大きく右カーブして武蔵ヶ丘車両基地を通過します。さらに武蔵台をぐるりと回りながら、二つ目の駅、高麗に停車。高麗神社の最寄駅です。上り列車と離合、また、特急の通過待ちでだいぶ長く停車していました。
この辺りから高麗川と合流し、以降は高麗川に沿って山を登っていきます。
高麗川を渡り、武蔵横手駅へ。駅にヤギがいました。井戸があったり、彼岸花やコスモスが咲いていて長閑な駅。今度降りてみてもいいかも。
沿線にはフルーツの木も多いようです。桃や栗の木が植えられてるのを見かけました。
徐行しながら山を登って東吾野。登山客がいました。
蛇行する高麗川を何度も渡ります。引き上げ線が何本もある吾野駅に到着。ここでまた上り線と交換します。ここまでが西武池袋線です。過去の砕石輸送に関連すると思われる施設が見えました。
西吾野駅は特に奥まった集落の駅という雰囲気で素敵でした。電車が来ると駅長さんが出てこられるようです。ピンク色の花が咲いています。
次の正丸駅を出ると長いトンネルに入り、抜けた先は芦ヶ久保です。ここからは秩父郡にはいります。芦ヶ久保といえば氷柱。秩父の観光地の一つです。
芦ヶ久保を出ると、三菱マテリアルの工場が見えてきます。その近くにはかつての石灰輸送のための貨物駅、東横瀬駅があったそうです。その後横瀬駅の手前で、石灰輸送に使っていたと思われる貨車が一瞬だけ見えました。
横瀬で特急列車と交換します。留置線には朝横浜からきたS-TRAINが留め置かれていました。夕方再び横浜方面に向かいます。
最後は高架線を通り、秩父鉄道と並走するように曲がって西武秩父駅に到着しました。
左側が秩父鉄道の線路、真ん中が西武線から秩父鉄道に直通するための線路です。秩父鉄道と西武線は駅では接しておらず、西武秩父駅には秩父鉄道の電車は止まりません。また、西武線の秩父鉄道直通列車は西武秩父駅には止まりません。秩父鉄道側の駅は少し離れた場所にある御花畑駅です。二面二線のホームで片方は西武線直通列車専用のホームになります。
西武秩父駅は新しくなっていて、お土産物屋さんや温泉施設などもあります。
西武秩父駅は今回初乗車でしたが、石灰輸送の名残など思った以上に見所が多く、写真も撮りきれなかったため、近いうちに再訪しようと思います。
【追記】 西武鉄道によると、2025年度以降、西武秩父線に元東急電鉄9000系電車(西武での形式は未定)が導入されることが発表されました。これは、西武鉄道が取り組むSDGsへの貢献や環境への配慮を目的とした「サステナ車両」の導入によるもので、省エネ化のほか固定費削減が見込まれます。これにより、現在活躍している西武4000系は徐々に置き換えられていく予定です。