都営大江戸線には、現在の終点の光が丘駅から西に延伸する計画があります。このうち、実現可能性が高いのが練馬区内の鉄道空白地帯を埋めるように走る「光が丘駅~大泉学園町駅(仮称)間」ですが、計画上はさらに西に進み、埼玉県所沢市のJR武蔵野線東所沢駅まで延伸する構想があります。
大泉学園町駅からの延伸区間は、西武池袋線と東武東上線に並行するように西に進み、大部分が埼玉県新座市を通ります。全線にわたり地下構造を想定しているそうです。新駅は、埼玉県新座市に1駅、東京都清瀬市に1駅、埼玉県所沢市に1駅の3駅。それぞれ、新座中央駅(仮称)、清瀬北部駅(仮称)、そして東所沢駅です。以前は大泉学園町駅と新座中央駅との間に新座南部駅(仮称)が計画されていました。
光が丘駅~大泉学園町駅(仮称)間の新駅予定地や周辺環境を見に行った記録はこちら。
今回は、大泉学園町駅からさらに先の、埼玉県新座市、東京都清瀬市、埼玉県所沢市に構想されている新駅設置予定地を見に行きました。
新座中央駅(仮称)
新座市の資料によると、新座中央駅の位置は新座市馬場4丁目付近に設定されています。ここは、周辺のひばりが丘駅、清瀬駅、新座駅、志木駅、大泉学園町駅(仮称)からほぼ等距離の立地です。畑中公民館通り、東久留米志木線、関越自動車道、保谷朝霞線に囲まれた約90ヘクタールの土地を「まちづくり構想区域」とし、駅周辺の開発を目指しています。
現在はこのように畑が広がっています。新座市内で開発が進んだ地域は市の外縁を囲うように走る鉄道沿線であり、中心部はのどかな景色が広がっています。延伸に伴うまちづくりでは、そうした武蔵野の自然が残る環境を活かしつつ、パークアンドライドの設置や、隣接する関越道にスマートICを整備することなどを盛り込んでいます。
広大な畑地の先にはヤマト運輸の集積場や企業の倉庫などが建ち並んでいます。
予定地へはひばりが丘駅か朝霞駅から西武バス「ひばり71系統」に乗車し「蓮光寺前」で下車。
車両基地
新座市は車両基地も誘致しており、予定地は新座中央駅から少し先の、関越道と平林寺大門通りが交差する北側の地帯です。
予定地と思われる一帯は畑で、周囲には新座消防署、新座市保健センター、新座中学校が隣接しています。また、平林寺大門通りを北に進むと新座市役所があります。
新座市内では複数の場所に大江戸線を誘致する旨の横断幕が掲げられていました。
清瀬北部駅(仮称)
新座市の資料によると、清瀬北部駅(仮称)の予定地は清瀬市旭が丘の旭が丘交番前交差点付近に予定されています。旭が丘には広大な団地があり、現在は西武バスが清瀬駅に頻繁に出ています。旭が丘交番前交差点は旭が丘団地の西端で、柳瀬川通りと旭が丘通りの交差点です。
資料によると、「駅前周辺は、清瀬市北部の中心地域として、商業・サービスを中心とした商業地域を配置」するとのことですが、新座市のような新たな街づくりと異なり、すでに宅地や店舗のあるところに駅ができるようなイメージです。立地的には清瀬市の北端の角のような地区で、新座市と所沢市に囲まれています。
新座中央駅を出ると、ほぼ直線に西に進み、関越道をくぐって旭が丘通りの地下を進んで清瀬北部駅に入ります。
予定地へは清瀬駅、新座駅、志木駅から西武バス「清62系統」に乗車し「団地交番前」下車。
東所沢駅
東所沢駅はJR武蔵野線の駅です。計画では大江戸線は清瀬北部駅を出ると大きく左に曲がり、所沢青海線線直下を進んで右折、東所沢駅前通りに入り、東所沢駅と垂直に交わる形で駅が作られます。
2022年現在で予定地をめぐってみた感想としては、地域住民ではないため断定的なことは言えませんが、新座中央駅に関して、大部分が埼玉県新座市内を経由することもあり、街づくりの案も具体的なもので、より現実味を感じました。HP等での公開情報を見る限り、清瀬市、所沢市に比べて新座市の熱量は相当なもので、資料もふんだんに公開されています。新座市内では各所に延伸を求めるポスターが見られましたが、清瀬市、所沢市では確認できませんでした。市役所にいけば見られるかもしれません。
新座市内には車両基地の予定地もあり、光が丘駅~大泉学園町駅間の開業時にひと駅伸ばして新座中央駅まで開業するのも良いのではないかと思いました。延伸後も運行主体は東京都となりますが、すでに都営新宿線の本八幡駅(千葉県)への越境の前例もあります。
今後の動向が楽しみですね。
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