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埼玉高速鉄道 延伸予定区間を見に行く【浦和美園~埼スタ~目白大学~岩槻】

鉄道
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埼玉高速鉄道(地下鉄7号線)は、東京都北区の赤羽岩淵駅から埼玉県さいたま市の浦和美園駅までを結ぶ第三セクターの路線で、東京メトロ南北線、東急目黒線と相互直通運転をしています。2023年3月には相鉄線との直通運転も開始されます。

そんな埼玉高速鉄道には延伸計画があり、終点の浦和美園駅から北上し、東武野田線の岩槻駅を経てJR宇都宮線の蓮田駅まで伸びる想定です。そのうち、浦和美園駅~岩槻駅間が「先行整備区間」とされています。途中駅は、埼玉スタジアム駅(仮称)、中間駅の2駅が設置されます。埼玉スタジアム駅(仮称)は臨時駅とする案が有力で、中間駅の位置は目白大学岩槻キャンパスに近い場所が想定されています。

延伸部分は浦和美園駅から岩槻駅手前まで高架線で、岩槻駅周辺では地下に入ります。延長キロは約7.2キロメートル、1編成(6両編成)を追加し、各駅停車で運行。浦和美園~岩槻間を7分で結びます(快速運転する案もあります)。

ちなみに、現在の埼玉高速鉄道と延伸計画線を合わせたような区間を戦前、武州鉄道という私鉄が走っていました。蓮田駅から(埼玉高速鉄道とは逆方向に)岩槻駅を経て、川口市の神根(新井宿駅が近い)まで営業されていましたが、のちに廃線になりました。

尚、延伸線(そして武州鉄道)とほぼ同じルートを国際興業バス「岩11-3系統」(東川口駅北口~浦和美園駅~目白大学~岩槻駅)が毎時2~3本程度走っています。

実際に歩いてみました。※駅名はいずれも仮称です。

埼玉高速鉄道の車両2000系。座席は埼玉県の花であるサクラソウをイメージしたモチーフで可愛い。
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浦和美園駅(2面3線)

現在の終点である浦和美園駅は2面2線の構造で、地上駅です。計画ではさらに1本新設し、2面3線となる構想です。北側に車両基地があります。

浦和美園駅は2面2線だが、3番線は臨時ホームで通常は1面2線の島式ホーム。

もともと将来の2面3線化を見込んで設計されていたため、用地が確保されています。南端が一部すでにそのようになっています。

浦和美園駅ではいたるところに延伸を求める掲示がされています。コンコースには、延伸を祈念して岩槻にある慈恩寺とゆかりのある奈良の薬師寺の三重の塔の模型が展示されていました。

ホームにある、地下鉄7号線延伸事業化推進期成会の掲示。
コンコースにある「伸ばそう地下鉄」の横断幕。
改札口横に設置された奈良の薬師寺の三重の塔の模型。岩槻にある慈恩寺と関係があるようだ。

浦和美園駅周辺は開業当初は更地のような景色でしたが、埼玉スタジアムやイオンモール浦和美園などがオープンし、にぎわいのあるエリアになっていきました。また、順天堂大学のキャンパスと付属病院もできる見込みです。

東口に出て埼玉スタジアム2002に向かいます。1.2キロ、徒歩15分の距離です。専用の歩道が整備されています。

浦和美園駅を専用歩道(北側)から見ると、現在トイレが設置されているところに線路が敷けるのがわかります。多客期用の臨時ホームである3番線は2階のコンコースではなくそのまま1階の専用改札に出るため、別にトイレが設置されているのだと思います。

計画では、車両基地を左手に見ながら進み、高架線に入ります。線路は車両基地に入る引き上げ線ですから、この歩道の左端の黒い部分が主に本線になるのではないかと想像します。この長い歩道橋を超えたら高架に入るでしょう。

金網から車両基地を覗いてみました。メトロや東急の車両もいます。

例の「黒い部分」の先は柵がされて空き地になっています。

美園2号線を渡ります。高架線はこの左側を通り、現在竹林があるところを通って行くものと思われます。

埼玉スタジアムが見えてきました。

スタジアム手前に広がる調節池の上を通って右にカーブしながら駐車場の方に進むと思われます。

埼玉スタジアム駅(2面3線)

埼玉スタジアム駅(仮称)は2面3線の構造が想定されていて、中線は折り返しの構造になっています。通常時は側面の2線を使い、多客時に埼玉スタジアム駅折り返しの列車を設けます。

高架線はこの広大な駐車場の上を進みます。

スタジアムの北西方向も駐車場ですが、このように舗装されていない広い空き地があります。ここが埼玉スタジアム駅になるのではないでしょうか。

中間駅(2面3線)

中間駅は2面2線の構造です。さいたま市の基本方針案では、目白大学岩槻キャンパスの北側に設置される見込みです。また、周辺のまちづくりも進め、住宅エリアや産業エリアなどを配置し、駅前をシェアサイクルなどのモビリティ拠点とする案が出されています。

また、前述の武州鉄道もまさにこの付近を走っており、廃線跡を散策路とする意見もあるようです。

目白大学岩槻キャンパスに来てみました。緑あふれる広々としたキャンパスです。前述の東川口駅~浦和美園駅~岩槻駅を結ぶバスのほかに、岩槻駅と目白大学を往復するバスも出ています。まちづくり方針案では、中間駅と目白大学岩槻キャンパスの間に歩行者通路と公園を整備する予定です。

目白大学に入る道を逆戻りして進みます。

中間駅は、延伸線がキャンパスの東側から北側に向けて伸び、ちょうど北に位置する場所に設置される見込みです。そういう位置にちょうど空き地があることから、このあたりではないかと想像します。画面の左側には個人宅や神社があります。

このあたりは岩槻区浮谷という地名です。予定地と思われるあたりには「目白大学入口」バス停があります。

岩槻駅(1面2線)

終点となる岩槻駅は再び地下駅となり、2面2線の構造となります。東武野田線が地上を走っており、野田線に垂直方向に交わる形で駅が作られます。岩槻駅の手前で高架線から地下に入ります。

東武野田線・岩槻駅の駅舎は白壁に瓦屋根といった和風建築の意匠が施されている。岩槻は人形の街。

岩槻駅は乗降客数の多い主要な駅で、駅前には岩槻区役所があります。住民も多く、延伸線が開業すれば乗り換えなしで都心に出られるメリットは大きいでしょう。

延伸線は地図上の県道岩槻停車場線の地下を進むものと思われます。野田線と立体交差するのか、剣道内に収まるのかは未定です。武州鉄道はここではなく駅の東側(地図上では左側)を通っていました。

県道岩槻停車場線です。この先に東京環状道路があります。

なお、岩槻駅~蓮田駅間は「計画検討区間」とされ、途中に中間駅を設置することが予想されますが、構想の域を出ません。

2023年から相鉄線との直通運転が始まりますから、延伸線が開業すれば、岩槻を出て浦和美園、都心を経由し、武蔵小杉、新横浜までも一本で行けるようになりますね。

今後の動向に期待です。

浦和美園駅に停車する埼玉高速鉄道2000系。2000年に開業したので2000系。相鉄線直通後は、この車両は新横浜まで乗り入れる。

追記

2023年6月のさいたま市議会定例会で、埼玉高速鉄道を浦和美園から大宮まで延伸する案が提示されました。もともとさいたま市内の東西方向のネットワークを強化するための構想としてLRT案が出されていましたが、さいたま市内の鉄道で埼玉高速鉄道だけが大宮駅に接続していないことや、東西のネットワークにおいて輸送力の高い地下鉄が望ましい点などが検討に値するとのことです。

仮に岩槻延伸に加えて大宮延伸も叶った場合、浦和美園駅で分岐することになります。また、大宮から埼玉高速鉄道経由で都心へ直通すれば、非常時のバイパスとしても有用になるでしょう。

コメント

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