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京成東成田線&芝山鉄道に乗る【成田空港の複雑な鉄道】

鉄道
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京成東成田線と芝山鉄道に全線乗車しました。

京成東成田線、芝山鉄道線路線図

京成東成田線は京成成田駅と東成田駅を結ぶ非常に短い路線で、成田空港の開業と同時に空港アクセス路線として誕生しました。当時は東成田線が京成本線で、東成田駅が成田空港駅でした。その後、成田新幹線計画がとん挫したことにより、成田空港線(成田スカイアクセス線)が誕生し、空港アクセス線をそちらに譲った後、東成田線として営業しています。京成本線、芝山鉄道と直通運転をしています。

芝山鉄道は第三セクターの鉄道会社で、成田空港株式会社の連結子会社です。京成東成田線の東成田駅と芝山千代田駅を結ぶこちらも非常に短い路線です。「日本一短い鉄道」とされています。成田空港建設によって不便を被ることになる周辺住民の方々への補償として国が建設を約束し、難航したものの2002年に開業しました。運行は京成に委託され、京成線と直通運転しています。交通系ICカードは使用できません。

そんな両路線をめぐるため、京成成田駅にやってきました。

京成成田駅は大正時代に成田花咲町駅として開業し、昭和に入ってから現在の位置に京成成田駅として誕生しました。京成線全体の歴史としては東京方からまず千葉市方面、そして成田へと路線が伸びていったので京成成田駅は後の方の開業でしたが、京成線本来の目的は成田山新勝寺の参詣客輸送であり、東京と成田を結ぶことにありました。

JR成田駅とは隣接しており、乗換駅となっています。

なお、京成線が成田に来る前から成田には成宗電気軌道(成田電気軌道)という路面電車が走っており、宗吾から現在の京成成田駅付近を経由して成田山新勝寺までを結んでいました。戦時中に不要不急路線として廃線になり、現在は廃線跡の一部が「電車道」として名を残すほか、トンネルも当時のものが残っています。

京成成田駅は3面3線の駅で、東成田方面の列車は5番線を使用します。間の1面はモーニングライナー、イブニングライナーで使われるホームで、日中は閉鎖されています。

5番線は芝山千代田方面、京成上野方面の両方面の列車が発着します。私の乗る列車は芝山千代田から来て折り返し芝山千代田行きになる4両編成の普通列車でした。

行先表示は「普通 (東成田)芝山」。千原線などでも見られる3500形電車です。運行頻度は日中は40分おき。

成田駅を出ると、すぐに高架線に入り、右手に曲がります。しばらく森林や田んぼの間を抜け、駒井野信号場で京成本線と分岐します。直進方向はこちらの東成田線です。信号場を出ると成田空港の地下に入ります。

このような高架線を通って成田空港へ入る

すぐに東成田駅に到着です。無機質で薄暗く、旧共産圏に来たような感覚。

2面4線の島式ホーム。当初は成田空港駅でしたから、立派な構造の駅です。現在は1面2線を使うのみで、あとの1面2線は特急専用ホームとして使われていました。旧特急ホームの線路は芝山鉄道へは繋がっていません。

旧特急ホームには「成田空港」の駅名標が残っています。

東武の特急スペーシアの広告も残っていました。

照明は薄暗く、よく清掃されているとはいえない雰囲気で、廃墟にきたような感覚になりますが、現役の駅。ここから上野や都営線方面への直通列車も出ています。

ガタガタと音を立てるエスカレーターで改札階へ。なお、当然ながら駅としてはそれほど古いものではなく、日本の鉄道の歴史を考えれば新しい方ですが、こうも古く感じるのかという感想です。

かつて営業していたレストランも閉鎖されています。

改札はこじんまりとしています。おそらく右側の封鎖されてる部分にも改札があったのではないかと思います。

券売機横にカフェでよく見るようなボードが置かれており、手書きでこの旧成田空港駅の歴史が書かれていました。

改札前のスペースは広くとられています。荷物の多い海外旅行客がここにたむろしたことでしょう。

現在でも東成田駅から成田空港に向かうことはできますが、利用者のほとんどは空港で働く通勤客の方々で、航空機利用者の利用は少ないようです。

成田空港のターミナルまで歩いてみました。

再び東成田駅に戻ります。芝山鉄道では交通系ICカードが使えないため、自動券売機で切符を購入しました。東成田駅から200円。

芝山鉄道はその歴史的経緯から重警備で知られています。かつてはひと車両ごとに警官が同乗していたとか。この日も駅構内や周辺などで多くの警察官と警備員を見かけました。タイミングよくやってきた次の芝山千代田駅行きに乗り込みます。

3500形4両編成のワンマン列車。京成の車両です。ひと車両に1〜2人の乗車率でした。今どき珍しく車内に扇風機がありました。

芝山鉄道内は単線です。地上に出ると高架線に入り、整備センターなどのある横を走っていきます。プライベート機などが駐機されていました。

4分ほどで到着です。終点の芝山千代田駅は1面1線の高架駅です。駅には芝山鉄道の本社も入っています。芝山鉄道の車両は残念ながらこの日は見ませんでした。

ホームのすぐ先に車止めがあります。

駅名標は、京成風の書式ながら芝山鉄道カラーの緑。

改札はひとつで、コンビニなどのテナントはありません。自動販売機は複数置かれていました。多くの人は定期券を利用するのでしょうが、切符を購入する人の姿もよく見られました。40分に一本のため、電車の発着する時間になると意外と人が集まってきます。近くの空港関連施設の方がほとんどのようです。

芝山千代田駅は空港の整備場の隣にあり、開業前の駅の仮称は整備場前駅でした。駅前からはJRバス関東の路線が成田駅と八日市市場駅方面にあり、また千葉交通のバスが成田空港から芝山千代田駅を経由して横芝屋形海岸方面に路線を有しています。この横芝屋形海岸へのバスは、芝山鉄道が将来、芝山町中心部を経由して九十九里浜まで延伸する計画があり、それまでの代替として走らせているものです。

また、駅の裏手の道沿いからはちばフラワーバスなどの路線バスやコミュニティバスが多古、山武方面、航空科学博物館などへ出ています。帰りはバスで戻ることにしました。

複数の会社のバス停が林立している。企業専用のバスも。

ちょうど私の乗ってきた電車が西日を浴びながら再び京成成田駅に向けて出発していきました。

ちょうどやってきた、成田空港交通の「博物館循環線」のバスに乗車します。成田空港第二ターミナルまで200円でした。芝山鉄道の運賃と同じ。

途中、芝山鉄道と並走しました。高架線が徐々に地下に入っていくところです。

終点の成田空港第二ターミナルに到着です。航空科学博物館に行かれた方が多く乗られていたようでした。空港リムジンバスなどを多く走らせる成田空港交通は京成グループ。

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