京成バスが運行する路線バス「シャトル☆セブン」に乗車しました。
シャトル☆セブンとは、江戸川区における南北の交通の問題を解決するため導入されたバス路線で、2007年に試験運行を開始し、2009年に本格運行に移行した路線です。京成バス江戸川営業所が運行を担当しています。
運行系統 | シャトル☆セブン「SS07」東京ディズニーリゾート~葛西臨海公園駅~葛西駅~古川親水公園~一之江駅~大杉第二小学校~小岩駅 シャトル☆セブン「SS08」東京ディズニーリゾート~葛西臨海公園駅~葛西駅~古川親水公園~一之江駅~大杉第二小学校~青砥駅東交差点~亀有駅 |
正式な路線名は「環七シャトル」。その名の通り、環七通りを急行運転します。東京ディズニーリゾートを出て京葉線の葛西臨海公園駅を経由し、その後ひたすら環七通りを北上します。途中、東京メトロ東西線の葛西駅、都営新宿線の一之江駅に停車して総武線の小岩駅または常磐線の亀有駅に向かう路線です。また、新小岩駅~東京ディズニーリゾート間を結ぶ特急バスも1日3往復のみ運転されています。
小岩駅発着の路線を「SS07」系統、亀有駅発着の路線を「SS08」系統と呼びます。特急バスの系統名は「特急」です。
運賃は、東京ディズニーリゾート~葛西臨海公園駅間と、都内のバス停間は210円。東京ディズニーリゾートから葛西臨海公園駅を超えて乗車する場合は区間に応じて310円または410円。専用塗装のバスが使われます。
所要時間は亀有駅~東京ディズニーリゾート間が1時間5分、小岩駅~東京ディズニーリゾート間が57分。
もともと環七通りには「メトロセブン」と呼ばれる環状線の地下鉄構想があり、特に江戸川区内では南北の移動に鉄道がないことから、不便を解消するためにこうした急行バスが誕生しました。非常に需要が高く、何度も増便されています。
早速乗っていきましょう。今回はより長い区間に乗るため、亀有駅から「SS08」系統に全区間乗車します。亀有駅南口にやってきました。こち亀の像が南口にも北口にもあります。
亀有駅のシャトル☆セブンののりばは、南口ロータリーの1番のりば。シャトル☆セブンのほかに、京成タウンバスの系統も発着しています。
ちなみに、「SS07」系統の小岩駅でのシャトル☆セブンののりばは、南口ロータリーの0番のりば。空港リムジンバスと共用のバス停です。
運行は毎時1~2本程度。今回は16:08発の便に乗ります。出発3分前ぐらいにバスがやってきました。江戸川営業所の車両で、足立ナンバー。前面には「7」のエンブレムが掲げられています。
塗装は一目でシャトル☆セブンと分かる特徴的なデザインで、ピンクと黒の可愛らしいカラーリング。大きく「Shuttle 7 Seven」と書かれています。
車内は写せませんでしたが、内装は船をイメージした凝ったデザインとなっています。詳しくはホームページを見てみてください。
シャトル☆セブンは前乗り後降り。行き先別に運賃が違うので、最初に行き先を告げて運賃を支払います。車内はすべての座席が埋まるほどの乗車率。しかも、この時間でも「ディズニーまで」とおっしゃる方もいて、ディズニーアクセスとして定着してます。定刻で亀有駅を出発です。
当たり前といえば当たり前ですが、出発時に「東京ディズニーリゾート行き発車します。」とアナウンスしていたのが印象的でした。バスは駅前の通りを抜け、亀有駅入口交差点を右折、すぐに環七通りに入ります。ここからはひたすら環七の旅。まずは葛飾区内を一気に縦断します。
急行運転するバスはいつもワクワクします。ディズニーアクセス路線のため、多言語(日英中韓)でアナウンスがありました。
環七通りは交差する大通りや鉄道路線などをオーバーパスで一気に超えます。まずは水戸街道と立体交差しました。
「青砥駅東交差点」に到着です。数人が降りていきました。京成線青砥駅までは徒歩で5分程度。乗り換え可能なバス停です。京成線の高架をくぐる際にちょうど電車が走っていきました。
今度は中川をオーバーパスで渡ります。降りると「奥戸運動場」に到着です。各バス停で乗降があるのが印象的でした。急行運転するためどこか鉄道路線のような感覚もあります。
再び長い長いオーバーパスに入ります。ここで蔵前橋通り、総武線、新金貨物線をすべて一気に超えてしまいます。シャトル☆セブンは東京都東部の縦の移動を担うよう開設されましたが、新金貨物線もそのような位置づけで旅客化される計画があります。また、ここから江戸川区に入ります。
「上一色中学校前」に停車し、今度は千葉街道と鹿骨街道を超えるオーバーパスに入ります。
オーバーパスを降りて、「大杉第二小学校」に停車します。ここから小岩駅からの「SS07」系統と合流します。向かい側には小岩駅行きのシャトル☆セブンが走っていました。
京葉道路を再びオーバーパスで超え、今度は首都高速7号小松川線と交差します。一之江ランプからは、同じく京成バスと東武バスセントラルが共同運行する「スカイツリーシャトル東京ディズニーリゾート線」と合流します。スカイツリーシャトルも葛西駅に停車後、ディズニーリゾートに向かいます。
「スカイツリーシャトル東京ディズニーリゾート線」に乗車した記録はこちら。
環七通りを順調に南下します。一之江駅のすぐ横に停車するため、今井街道を超えるオーバーパスには乗らず、久しぶりに信号で停車します。
「一之江駅」に到着です。都営新宿線一之江駅の出口のすぐ横に停まるので便利。一之江駅で乗務員の交代がありました。一之江駅からまっすぐ東に行ったところに京成バス江戸川営業所があります。
「古川親水公園」に停まり、葛西駅の駅舎が見えてきました。一度高架を超えて南口側にでます。
「葛西駅前」に到着です。都営バスがひしめき合う南口バスターミナルの中にある10番のりばに停まります。10人ほど乗ってきました。亀有駅/小岩駅方面のシャトル☆セブンは1番のりばです。
ロータリーを出て葛西臨海公園に向けて出発です。
「総合レクリエーション公園前」に到着です。総合レクリエーション公園とは、野球場からフラワーガーデン、バーベキュー場まで様々な施設がある総合公園で、東西に3キロにわたって広がっています。
環七通りは緩やかに右にカーブして終点の湾岸道路に接続します。環七通りの旅もここで終わり。バスは首都高速湾岸線と京葉線の高架をくぐり、右折します。
京葉線の高架を右手に葛西臨海公園駅に向かいます。両側にヤシの木が美しい通りです。
「葛西臨海公園駅前」ののりばは0番のりば。ディズニーリゾート方面、亀有駅/小岩駅方面とも同じバス停です。
再び先ほどの道を戻り、今度は湾岸道路を東に進みます。
江戸川に架かる舞浜大橋を渡り千葉県に入ります。都県境を渡る一般路線バスは非常に少なく、その点でもこのバスはレアです。
湾岸道路を降りて、浦安市舞浜地区をディズニーリゾートに向けて進みます。
東京ディズニーランドホテルが見えてきました。
「東京ディズニーランド」に到着です。12番のりばに停まります。亀有駅/小岩駅方面も同じバス停に停まります。舞浜駅へは歩道橋を使ってすぐ。ディズニーリゾートは各地からの高速バスが大量に発着する巨大ターミナルでもあります。多くの高速バスは朝に各地を出てディズニーリゾートに到着し、夕方から夜にディズニーリゾートを出てそれぞれの出発地に戻ります。
舞浜駅前にもバスターミナルがあり、こちらは東京ベイシティバスの路線バスが発着しています。
バスは終点の東京ディズニーシーに向けて、ディズニーランドとイクスピアリの間の道を進みます。反対方面のシャトル☆セブンと行き違いました。
ディズニーリゾートラインに沿って進み、ついに終点の「東京ディズニーシー」に到着です。
こちらもバスターミナルになっており、多くのバスが休んでいました。左手には出発を待つシャトル☆セブン、右手には休憩中のシャトル☆セブンの車両が見えます。
東京ディズニーシーのシャトル☆セブンののりばは9番のりば。
17:15発の亀有駅行きが出ていくと同時に、ディズニーリゾートラインのモノレールが走っていきました。
東京の西部でも東部でも縦の移動が交通の課題であり、各区が積極的に取り組んでいますが、このシャトル☆セブンは一定の成功を収めていると言えるでしょう。2018年にはさらに速達版である特急バスも誕生しました。もちろん軌道交通や専用道のあるBRTなどが輸送力や定時性の面でさらに理想的ですが、今後人口減少の時代に入るにあたり、こうした急行運転のバスによって需要を賄うのは一つの答えだと思います。一般のバスと形式や乗り方は同じですがデザインが特徴的で、環七通りを急行運転する、というわかりやすさもよいと思いました。有楽町線の延伸(豊住線)や、新金貨物線の旅客化など、縦の移動を担う新たな形にも期待したいですね。
急行運転するバスはワクワクします。亀有駅/小岩駅から葛西臨海公園駅までは220円で行けて、京成バスの一日乗車券も使えます。ぜひ乗ってみてください。
新小岩駅~東京ディズニーリゾート間を結ぶシャトル☆セブンの「特急バス」に乗車した記録はこちら。
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