JR各社が秋の「鉄道の日」に合わせて発売している、JR全線が乗り放題の「秋の乗り放題パス」は、春夏冬休み機関に発売される青春18きっぷの秋版的な位置づけですが、同じというわけではありません。様々異なる点があります。今回購入し、実際に使ってみたので、ご存知の方も愛用されている方も多いと思いますが、18きっぷと異なる点やより良い点などを書いてみます。
秋の乗り放題パスは、青春18きっぷと同じく指定席券売機で購入できます。2020年は発売期間が9月12日(土)~10月23日(金)、利用期間が10月3日(土)~25日(日)でした。
実際の使い勝手から見た青春18きっぷとの違いを見ていきましょう。
秋の乗り放題パス | 青春18きっぷ | |
発売価格 | 7,850円 | 12,050円 |
1日当たりの値段 | 約2,616円 | 2,410円 |
使い方 | 有効期間内の任意の5日間 または複数人で同時に利用可 | 1名で連続する3日間利用 |
自動改札機 | 使用可 | 使用不可(窓口に並ぶ) |
乗れる列車 | 全国の普通、快速、BRT、宮島フェリー (特急、急行、新幹線は利用不可) | 全国の普通、快速、BRT、宮島フェリー (特急、急行、新幹線は利用不可) |
以上の基本的な違いを踏まえ、私なりの「秋の乗り放題パス」のメリット、デメリットを書いていきます。
- メリット
- ・青春18きっぷのような大型連休シーズンではないので比較的混まない
- ・自動改札機を通れる
- デメリット
- ・3日連続で使用する必要がある
- ・複数人でシェアすることができない
青春18きっぷを利用された方ならお分かりになる思いますが、自動改札機を使えるというのは大きなメリットだと思います。駅の改札窓口は意外と並ぶことが多く、人によっては長く時間をとるため、旅程に影響することも。また、利用開始時にスタンプをもらわなければならないのもやや面倒です。改札口に駅員さんがいらっしゃらないことも多々あります。秋の乗り放題パスは通常のきっぷと同じように自動改札機を通して入ることができます。通した後必ず受け取ることを忘れないように。当然最終日の最後の利用時にもきっぷは出てきます。
一方で、青春18きっぷでは1枚のきっぷで同一行程であれば複数人でシェアすることができますが、秋の乗り放題パスではそれぞれ1枚ずつ購入する必要があります(もちろん同一行程の縛りはなくなりますが)。また、連続する日程で使わなければならないのも大きな制約です。
この手の大盤振る舞いのフリーパスはJRが利用促進のため採算度外視で設定しているものなので文句をいうのはお門違いでしょう。
基本的に設定期間の10月中に三連休はないため、想定される利用方法としては土日に旅行、前後の金曜か月曜に仕事終わり、学校終わりに普段いかないところで買い物/食事、といった感じでしょうか。私はまさにそのような使い方をしました。もちろん、週末で利用してあと1日分は放棄するという方も多いでしょう。それでも1日当たり3,925円。東京~熱海間往復や東京~宇都宮間往復(それぞれ片道約2時間)で元が取れてしまいます。
また、青春18きっぷといえばユーザーによる東海道線などの混雑を思い浮かべる方も多いと思いますが、秋の乗り放題パスのシーズンでは混雑はそれほどでもないようです。
秋は鉄道の日の関係で多くの楽しい臨時列車が設定されますが、指定券をとるだけで乗れる快速列車も多いので、予約できれば乗り放題パスと組み合わせてお得に非日常の旅を楽しむのも素敵な使い方ですね。
↑規約は基本的に上記の大きな違い以外は青春18きっぷと同じ。
↓快速・普通列車の指定席にはこのように指定券を別途購入することで乗ることができる。※特急列車へは一部の特例を除き、特急券を買い足しても乗ることはできない。