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関東鉄道竜ヶ崎線のキハ532形に乗る【佐貫-竜ヶ崎】

鉄道
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関東鉄道竜ヶ崎線のキハ532形気動車に乗車しました。

関東鉄道竜ヶ崎線とは茨城県龍ケ崎市内を走る単線非電化の路線で、JR常磐線龍ケ崎市駅に隣接する佐貫駅から竜ヶ崎駅までを結んでいます。全線が4.5㎞の短い路線で、途中駅は1駅のみ。1両か2両編成の気動車が約7分で結んでいます。

日中のダイヤは毎時2本。完全なパターンダイヤではなく、JR常磐線の発着に合わせてダイヤが組まれています。

路線は佐貫駅で常磐線に沿うようにカーブする以外は直線的で、住宅街や田畑の中を進みます。

今回は竜ヶ崎線の名物列車であるキハ532形に乗車しました。

常磐線で龍ケ崎市駅にやってきました。JRの駅名が「龍ケ崎市(龍の字、ケが大きい、市が付く)」、それに隣接する関東鉄道の駅が「佐貫」、関東鉄道の反対側の終点が「竜ヶ崎(竜の字、ケが小さい)」と大変紛らわしいですが、もともと龍ケ崎市の中心は関東鉄道の竜ヶ崎駅の方で、JRの龍ケ崎市駅も2020年までは佐貫駅でした。市内唯一のJRの駅名に市の名前を冠したいと考えた龍ケ崎市の希望により名称変更されました。壁面に描かれているのは市内を流れる谷田川、そして牛久沼でしょうか。

ちなみに市内を走る関東鉄道の路線バスでは、行き先をそれぞれ「関鉄竜ヶ崎駅」「JR龍ケ崎市駅」と分かりやすく表記しています。

関東鉄道の佐貫駅は龍ケ崎市駅東口のやや南よりにあります。

案内に従って狭い通路を進んでいきます。いかにも地方鉄道といった風情。

先ほどの古めの看板と違い、こちらは新しめ。

コンコースが見えてきました。

簡易改札機が設置されています。佐貫駅は無人駅。アナウンスは竜ヶ崎駅から流れます。古く正しい駅舎といった感じで良いですね。

ホームは1面1線。最大で2両編成分の有効長があり、朝夕は2両編成の列車が入ります。

ホームの竜ヶ崎方から先は大きくカーブしており、常磐線と垂直方向に走るのだということがわかります。

駐車場を挟んで奥にはJR線が見えます。かつて関東鉄道が貨物輸送をしていたころは線路が繋がっていたそうです。

少し待っていると、乗車する列車がやってきました。

関東鉄道キハ532形キハ532です。クリーム色の車体に朱色の帯を巻いています。竜ヶ崎線はワンマン運転。

キハ532形はキハ20系の走行装置を流用し、車体は竜ヶ崎線向けに新造した、準新造車です。1981年にデビューしました。近年は予備車両となっており、この日はたまたま運用に就いていたラッキーな日でした。

座席はすべてロングシートで、美しい赤紫色。3扉車です。竜ヶ崎線はすべて同じ側にホームが設置されているため、反対側のドアは必要ありませんが、反対側にもドアは設置されています。

乗務員室ドアの上には、レトロな着駅案内表示灯が。

国鉄マークの入った扇風機が設置されていました。キハ532形は長らく非冷房でしたが、2002年に冷房化改造工事が行われたため、現在では扇風機はあまり稼働させていないようです(夏期の車内の換気に冷房と併用するとのこと)。

車端部に冷房装置が設置されています。設置に伴って網棚が取り外されており、また、水滴が滴るかもしれないとの注意書きがなされていました。

運転台も覗いてみました。このキハ532形で重要な点は、反対側の竜ヶ崎方の運転台も同じ側(竜ヶ崎に向かって右側)にある点です。これは前述の通り、竜ヶ崎線はワンマン運転をしていて、ホームがすべて同じ側にあるため、扉の開閉取り扱いがしやすいようにとの設計になっているためです。こうした特殊性からキハ532形はデビュー以来竜ヶ崎線でのみ使用されています。

エンジンのうなりをあげて出発です。大きくカーブして直線区間に入ります。かつては佐貫駅と入地駅の間に南中島駅という駅がありましたが、廃止となりました。日中でも乗客は多く、席はかなり埋まっていました。

そんな南中島エリアまでは住宅街が続きます。

少し進むと列車は田園地帯に入りました。線路沿いはのどかですが、線路の両側には県道5号線、県道271号線が走っており、飲食店なども県道沿いにあります。

入地駅に到着です。乗降はありませんでした。1面1線のホームで、駅舎はありませんが小さな待合所があります。PASMOの簡易改札機も設置されています。入地駅と竜ヶ崎駅の間にはかつては門倉駅という駅がありましたが、廃止となりました。

入地を出ると再び田園地帯を走り、県道4号線と交差して終点の竜ヶ崎駅に入ります。駅構内には車両基地がありキハ2000形が留置されていました。竜ヶ崎線の主力列車です。関東鉄道常総線の車両と見た目が似ていますが、あちらはキハ2300形と異なります。右隣にはバスの関東鉄道竜ヶ崎営業所があります。

竜ヶ崎駅も1面1線の構造ですが、かつては1面2線のホームでした。

最後に再び車両を眺めます。列車は折り返し佐貫行きとなります。竜ヶ崎線は途中交換設備のない全線1閉塞形式で、1編成の列車が常に折り返し運転をしています。

竜ヶ崎駅は明治時代の開業当初は「龍ケ崎駅」と表記していたそうです。その後昭和に入ってから現在の「竜ヶ崎駅」に表記を変えました。市名が龍ケ崎市で、JRの駅名も長い年月を経て龍ケ崎市駅となったことを考えると、面白いいきさつですね。

竜ヶ崎駅にもPASMOの簡易改札機がありますが、現金で乗車する人は竜ヶ崎駅で支払うため、係員さんがいます。

駅舎の入り口には関東鉄道竜ヶ崎線の歴史が書かれていました。貴重な写真も。

竜ヶ崎駅前からは多くのバス路線が出ています。先ほどの看板にあったように竜ヶ崎線は藤代までを結ぶ予定でした。その代わりに関東鉄道竜ヶ崎営業所のバスが竜ヶ崎駅から藤代を経て取手に向かう路線を走らせています。全線を40分程度で結びます。

帰りはバスの竜ヶ崎取手線で取手まで戻りました。

関東鉄道竜ヶ崎線の貴重な車両に乗ることができました。車内は歴史を感じますが、まだまだ現役で走っており、末永く残ってほしいと思いました。関東鉄道のHPによると、キハ532形の運用は土曜日とのことでしたが、この日は月曜日。実際の運用は不定期のようです。

ぜひ機会があれば乗ってみてください。

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