京王バスが運行する長距離路線バス路線、「桜84」系統に全区間乗車しました。
「桜84」系統は聖蹟桜ヶ丘駅から相模原駅までを結ぶ路線で、神奈中バスとの共同運行便です。京王バスで唯一相模原駅に入る路線でもあります。京王バスの最長路線であるかは明らかではありませんが、所要時間約1時間にわたる長距離路線です。
運行系統 | 「桜84」聖蹟桜ヶ丘駅~一の宮~和田~帝京大学入口~堰場~大竹橋~フェアヒルズ入口~板橋~大田橋~南大沢駅~清水入谷戸~宮下~相模原駅 |
京王線聖蹟桜ヶ丘駅のバスターミナルを出ると野猿街道に入り、多摩都市モノレールの大塚・帝京大学駅に連絡します。堀之内で大栗川を渡り、今度は多摩ニュータウン通りに入ります。一度ぐるっと回って京王相模原線の南大沢駅バスターミナルに入り、停車後、再び元の道を戻って相模原立川線へ。町田市を経由し、神奈川県相模原市に入って米軍基地を迂回しながら、横浜線相模原駅北口に到着します。
平日は午前の3便を京王バスが担当、午後の3便を神奈中バスが担当します。土休日は京王バスは「南84」系統として相模原駅~南大沢駅の区間運転となり、午後の神奈中バス便3便のみとなります。
運賃は525円。所要時間は53~56分です。
早速乗っていきましょう。京王線で聖蹟桜ヶ丘駅にきました。
聖蹟桜ヶ丘駅のバスターミナルは駅と京王百貨店の間の1階部分に広がっており、京王バスがほとんどを占める京王王国です。今回は聖蹟桜ヶ丘駅から11:57の「桜84」に乗って終点の相模原駅を目指します。京王バスが担当する「桜84」の最終です。
「桜84」ののりばは2番のりば。京王線の駅側のわかりやすいのりばで、ほかに帝京大学構内行き直行バスなどが出ています。
先に「桜87」帝京大学構内直行バスが出ていきました。帝京大学の学生さんが長蛇の列を作っていました。「桜87」は途中の停留所にも停まりながら帝京大学へ向かいます。
ちなみに聖蹟桜ヶ丘駅からフェアヒルズ入口までは「桜88」系統・京王堀之内駅行きと同経路です。また、聖蹟桜ヶ丘駅から南大沢駅までは、経路が微妙に違うものの、「桜80」系統も走っており、本数も多いです。
乗車するバスがやってきました。京王バス南大沢営業所の車両で、営業所記号は「М」。京王電鉄バスカラーの車両です。
早速乗り込みます。後乗り、前降りの路線です。乗客はなんと私一人。直前に「桜80」南大沢駅行きが出たためと思われます。
すぐ後ろには京王電鉄バス桜が丘営業所の「高22」系統・高幡不動駅行きが出発していました。バスが頻繁に発着するターミナルを眺めているのは楽しいものです。
しばらく川崎街道を進み、一ノ宮の交差点を左折して野猿街道に入ります。
大栗川を渡ります。この先大栗川を何度も渡ります。
和田の交差点を直進します。宝蔵橋で先を走る南大沢駅行きに追いつき、この先ずっと追いかける形になりました。
そのためバス停で待っているお客さんはその南大沢駅行きがひろっていき、このバスは私一人の貸し切りのまま進みます。再び大栗川を渡りました。しばらく行くと多摩市から八王子市に入ります。
帝京大学東の交差点で野猿街道から旧野猿街道に入り、「帝京大学入口」に停車します。帝京大学へは構内直行のバスが頻繫に出ているため、学生さんはそちらを使うようです。実際、途中の停留所でも帝京大学の学生さんと思われる方は直行バスを待っており、一般の乗客は前を走る南大沢駅行きに乗るため、私は結局貸し切りのまま南大沢駅まで行きました。
野猿街道に復帰すると、「堰場」に停車します。多摩都市モノレールの大塚・帝京大学駅の目の前に停まりますが、名前が違います。
大栗川橋北交差点で左折し、野猿街道を離れます。3度目の大栗川を渡りました。
今度は多摩ニュータウン通りに入り、京王相模原線に沿うように進みます。
一度南大沢駅を超え、北側からぐるりと回りこむようにして京王相模原線の線路を渡り、南大沢駅に入ります。
南大沢駅に到着です。多摩センター駅と並ぶ大きな駅で、京王バス南大沢営業所もこの近くにあります。南大沢駅での「桜84」ののりばは、駅の向かい側の5番のりば。相模原駅行きも聖蹟桜ヶ丘駅行きも同じのりばです。南大沢駅で数人が乗ってこられました。
再びもと来た道を戻り、今度は相模原立川線に入ります。ここからは軽い山越えといった感じで、坂道が続きます。清水入緑地や南多摩都市霊園などを経て、八王子市から町田市に入ります。
5人ほどの乗客を乗せたまま進みます。多摩境通りに入り、境川を渡っていよいよ神奈川県の相模原市に入ります。
相模原市に入ってすぐに米軍基地が見えてきます。ここは相模総合補給廠で、広大な敷地を有しています。そのうち北側の一部は2014年に日本に返還され、共同使用されています。
米軍の敷地を回り込むようにして、ついに終点の相模原駅北口に到着しました。相模原駅北口ののりばは2番のりば。
相模原駅北口にはもう一つ、神奈中バスの橋本駅行きが発着していますが、一帯は草生してうらびれた景色が広がります。
最後に駅の窓から相模総合補給廠を眺めてみました。木々が生い茂り、あまり管理されていないような印象を受けます。商業施設が建ち並ぶ発展した南口側の風景に比べてあまりにも違います。
京王バスの長距離路線「桜84」は多摩地区を縦断し相模原まで向かうという、一見需要の大きそうな路線ですが、本数の少なさから他路線に乗客を奪われ、全線にわたって片手で数えられるほどの乗客しか乗らない路線でした。民営のバスであっても県境をまたぐ路線は意外と多くなく、そうした意味でも面白い路線です。
相模原から京王線へは橋本駅で京王相模原線に乗り換えたほうが早いですし、沿線住民でなければあまり乗車するメリットを感じないかもしれませんが、景色の移り変わりも面白い路線なのでぜひ乗ってみてください。