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【川越の廃線跡】西武安比奈線を歩く

廃線跡
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埼玉県川越市にある西武新宿線南大塚駅からは、かつて西武安比奈線という貨物線が走っていました。

入間川で採取した砂利の運搬を目的に、大正時代に開業し、当初は砂利線と呼ばれていました。1963年に休止となり、車両基地計画などが持ち上がりはしたものの、2017年に正式に廃止となりました。

2018年までに架線柱などは撤去されましたが、線路や枕木などはところどころで残っており、現在でもその遺構を確認することができます。

詳しいことは他のサイトに任せるとして、今回は子ども連れなどでも気軽に歩ける廃線探訪をテーマに歩いてみます。※地図はプレーンなものを貼り付けていますが、航空写真の方が廃線跡はわかりやすいので、切り替えてみてください。

西武新宿線の南大塚駅にやってきました。乗ってきたのはドラえもんラッピングの電車。

南大塚駅はもともと2面2線の駅でしたが、現在発着するのは2線のみ。下り線の端の線路ははがされています。上り線の方は留置線となっているようです。

その跡地は左手奥に続いているのがわかります。安比奈線の跡地です。安比奈線はこの南大塚駅を起点としていました。

南大塚駅北口に出ると、平成2年に建てられた案内版が今でも残されています。そこにはしっかりと安比奈線の線路が。

ここからはなるべく安比奈線の線路沿いに歩き、遺構を確認していきます。安比奈線は南大塚駅を出ると緩やかに西へとカーブしていきます。

かつての線路跡にはPC枕木が積み上げられていました。

このように、線路は完全にはがされているわけではなく、所々に残っています。

車道の線路もそのまま。もちろん踏切や信号設備、架線等は全くありませんが、いまでも西武鉄道の敷地として管理されているため、廃線跡を辿るのは容易です。

駅付近では幅広い用地が確認できますが、線路は真ん中あたりを通っていたと思われます。端にレールが置かれていました。

住宅街を迂回して再び合流。

16号線(東京環状道路)を渡ります。さすがに線路は撤去されています。

ぐるっと迂回して再び合流。入間街道沿いに来ました。草生していますが、線路は確認できます。かつてここを砂利を運ぶ貨物列車が走っていたと思うと趣深いです。

再び住宅街を抜け、南大塚1丁目の端まで来ると、農地が広がっていました。畑の中の築堤が廃線跡です。

和菓子屋さんの「ふじ乃」さんや、中華料理屋さんの「来福軒」さんのあたり。

畑の途中に新河岸川が流れており、ガーダー橋が架かっています。

安比奈線は畑の中の築堤を進んでいくので再び迂回します。

大袋地区に入りました。こちらは駅付近ほどではないものの、住宅が建ち並んでいます。線路もすぐにわかるぐらい残っています。

いまは走らないとわかっていても、線路はいいものです。いや、線路以外の設備がなく、レールも途切れ途切れなのが、かえって趣深いのかもしれません。

線路はひたすらまっすぐ入間川河畔を目指して進んでいきます。庚申塔を通って再び合流。

このあたりはかつての風景をある程度とどめているのではないでしょうか。現役のころは木製の架線柱が片側に建っていました。

右手にセイノーの建物を見ながら114号線を進みます。うどん屋さん「武蔵野うどん 竹國 川越池辺店」のところで右折し、すぐのところで廃線跡と再び合流します。

このあたりも再び築堤になっています。両側に気が生い茂り、半ば幻想的な雰囲気に。安比奈線廃線跡めぐりの見どころの一つです。

当然西武鉄道の敷地なので立ち入ることはできません。

道路を渡って反対側には錆びついたガーダー橋を見ることができます。この奥もうっそうと気が生い茂っていて良い雰囲気。

線路はこの先河川敷のエリアに入ります。向かって右手には池辺公園という公園が整備されていますが、廃線跡をみることはできなそう。なお、航空写真を見てもわかりますが、114号線は廃線跡と立体交差することなく突っ切るように建設されているため、線路も分断されています。

そこでSKマテリアル安比奈工場の方からまわってかつての安比奈駅のあったあたりに向かいます。「ナショナルパーク川越 こども二輪塾」という施設に行くと、廃線跡が見られます。

レールは変形し放題で、半分は土に埋まっていますが、廃線跡を確認することができます。線路沿いに植えられた木々は大きくほこり、葉のついた時期であれば大変良い雰囲気になりそう。

一面茶色い景色と打ち捨てられた線路は、安直に言えば「日本じゃないみたい」。

反対側には赤い水道橋が。

線路際の木が成長し、根がレールを押し上げています。ここも見どころの一つ。

ここでレールが分岐しています。ここからが安比奈駅構内。この先も複雑に線路が広がっていました。

よりによってレールの分岐する部分に木が生えています。

駅構内跡地は立ち入り禁止。ここから入間川が実際に流れている場所までは微妙に距離がありますが、どうしていたかというと、「復興社安比奈砂利軌道」という西武鉄道の系列会社が運んでいたそうです。安比奈駅で西武の無蓋車に積み替え、南大塚駅、さらにその先へと運んでいました。

同じく川砂利の運搬のために建設された西武多摩川線と違い、安比奈線は廃線になりましたが、日本の成長を支えた重要な路線でした。大正時代に開業し、砂利採取の規制後は50年以上にわたって休止されてきた歴史ある路線ですが、このようにレールや橋が残っており、気軽に廃線探訪を楽しむことができます。

ぜひ探検してみてください。

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