東武伊勢崎線と東武野田線を走る特急「アーバンパークライナー」は、2024年3月のダイヤ改正で廃止となることが発表されました。
https://www.tobu.co.jp/cms-pdf/releases/20231215100153k7Tr6HqNsqpjkXm_QX_PfQ.pdf
アーバンパークライナーとは、平日夜間のみ運行されるライナー特急で、500系電車「リバティ」が使用されています。アーバンパークライナー1号は浅草駅から春日部駅で分割して東武野田線に入り、それぞれ大宮駅行きと柏駅行きになります。2~7号は野田線内の大宮駅~柏駅間を運行します。
アーバンパークライナーは2017年に「リバティ」のデビューとともに設定された特急です。同時に伊勢崎線内のライナー特急として「スカイツリーライナー」も設定されました。
野田線の優等列車としては、臨時の急行や特急の設定はありましたが、定期列車でしかも伊勢崎線から直通という特急の設定は初めてのことでした。直通運転をして春日部駅で分割する1号は6両編成で運転され、分割して3両編成となり大宮と柏に向かいます。柏行きは春日部駅で進行方向を変えて進みます。
全車指定席の特急ですが、浅草発はせんげん台以降、大宮発は春日部以降、柏発は運河以降は特急料金が不要です。
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そんなアーバンパークライナーですが、2024年3月のダイヤ改正で廃止となります。これは、春日部駅の高架化工事の影響で、伊勢崎線⇔野田線間の渡り線が使用できなくなるためです。乗車率はそれなりにあるそうですが、物理的な問題で運行不可になるのですね。
廃止になる前に乗りに行くことに。今回は浅草駅から大宮駅までのアーバンパークライナー1号に乗車します。
予約は東武鉄道のインターネット予約・購入サービスが便利です。空席状況なども閲覧できます。会員登録なしで予約、購入が可能です。
アーバンパークライナーを予約する際に重要なのは、予約の検索をする区間を有料区間のみにすること。つまり、アーバンパークライナー1号であれば浅草からせんげん台までで検索する必要があります。実際には大宮まで乗る場合でも、予約システムの都合上、特急料金が必要な区間のみ指定して購入する形になります。
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無事に窓側を予約できました。はせんげん台までですが、大宮まで乗ります。
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料金は大人420円。
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浅草駅にやってきました。この美しい駅にこうして広告が出せるのですね。
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アーバンパークライナー1号は4番線特急ホームからの発車です。浅草駅からは特急列車が頻繁に出ていきます。
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特急ホームには改札があり、係員の方にチケットの購入画面を見せて入ります。
すでにアーバンパークライナー1号が停車していました。この列車は特急リバティ会津・けごんとして浅草駅にやってきた列車です。車内清掃ののちにアーバンパークライナー1号として出発します。前の3両が大宮行き、後ろの3両が柏行きの6両編成で走ります。
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10分前には特急りょうもう号が隣のホームから出ていきます。使用車両は200系。徐々にリバティに置き換わりそうです。渡り板収納箱が味わい深いですね。
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まだ出発まで時間があるため、車両を眺めます。浅草駅名物のホームの急カーブはこうして渡り板で対策しています。過去に都心に乗り入れるという大変な執念があってこうして浅草駅があり、このやや不便なホームも変わらず大切に使われています。そこに最新型の特急から古い特急まで多種多様な特急がやってくるのが浅草駅の魅力です。
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「特急アーバンパークライナー」の表示も見納め。
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英語版も。リバティは表示が大変分かりやすいですね。
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足元の乗車位置案内の「アーバンパークライナー」も消されるかもしれません。「スカイツリーライナー」は今後も走ります。
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リバティのデザインは大変スタイリッシュ。東武の特急はどれも魅力的ですね。スペーシアなどと違い、リバティは貫通扉もある汎用性の高い特急ですが、実用性がしっかり担保されながら大胆なデザインを施すという、意欲的な特急電車です。2018年のローレル賞を受賞しています。
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リバティは「Revaty」と表記します。これは、汎用性の高い特急であることから、多線区で活躍し、多様な使い方ができるという意味で「多様な」という意味の「Variety」と、その自由度の高さから「自由」という意味の「Liberty」を掛け合わせた造語です。
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車内清掃が完了し、出発の25分前には乗り込むことができました。
内装は、東京スカイツリーをイメージさせる白を基調としています。日光線系統の観光輸送にも使われることから、大型の荷物だなが各所にあります。
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座席は江戸の伝統色である「江戸紫」。モケットの柄も凝っています。各座席に電源があります。リクライニングは背中を倒すと自動的に座面の後ろが沈み込む構造で、包まれるような形でリラックスできます。
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車内案内表示器も大型で視認性が高く、観光特急らしく日英中韓の4言語で繰り返しアナウンスしています。
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天井のデザインが特に印象的ですね。波打った間接照明となっています。これは、隅田川や鬼怒川などをイメージしているそうです。
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車内の案内を見ると、3両編成のうち真ん中の車両のドアのみ開く駅の降車口の案内があります。大宮駅などがそうですが、これは、特急の改札を効率化するためです。短い3両編成なので一か所で可能だということでしょう。そうした事情もあらかじめ勘案して真ん中の号車のみ車体中央にドアを設置しているのかもしれません。トイレなども真ん中の号車にあり、両端の号車のどちらからも便利です。
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早めに座って待つことができたので、スマホを充電したり、車内を眺めたりして過ごしました。停車しているあいだ中、浅草を出るとすぐにスカイツリーが見えること、そしてスカイツリーについての解説が、日英中韓の4言語で流れ続けていました。
となりの3番線には最新型の超人気車両「スペーシアX」がやってきました。良い席はいまでも予約が取れないそうです。「スペーシアX」はこのあと回送になり、車両基地に引き上げていきます。
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18:49、ゆっくり出発です。浅草駅出発時点では私の車両には私を含めて6人ほど。ガタガタと隅田川を渡ります。橋梁が緑色にライトアップされていました。
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最初の停車駅はお隣の東京スカイツリー。春日部までの停車駅は東京スカイツリー、曳舟、北千住、せんげん台と、他の特急より多く設定されています。東京スカイツリーからは私の号車には4名ほど乗車されました。
続いて曳舟駅に到着です。私は曳舟に停まる特急があることを初めて知りました。スカイツリーライナーがこれからも停まりますが、一応撮影。こちらでも数人乗ってこられました。
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ラッシュ時で前後の間隔が詰まっているので、時々停まりながらゆっくり進みます。
続いては北千住。特急ホームに停車します。北千住から多くの方が乗車してきて、窓側はすべて埋まるほどに。
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北千住を出ると急行線にはいり、途端に快走します。
飛ぶように走ってせんげん台に到着しました。ここからは乗車券のみで乗ることができます。早速多くの方が乗りこんできました。ここで降りる方もいらっしゃいました。
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せんげん台を出ると次は春日部です。ここで多くの方が下車し、多くの方が乗車してきました、乗客が入れ替わった感じです。
スカイツリーライナー1号は伊勢崎線のホームである4番線に入ります。春日部で8分間停車して分割作業を行います。後の柏行きは進行方向が変わるので、「お手数ですが座席の方向を変えていただきますようお願いいたします」とのアナウンスがありました。
伊勢崎線と野田線との渡り線は、4番線からのみ出ています。そのため伊勢崎線から野田線に入る際は一度4番線に入ってからそれぞれの方向に向かう形になります。野田線から伊勢崎線に入る営業列車はありませんが、アーバンパークライナー7号(柏発春日部行き)の春日部駅での停車は4番線となります。
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19:31、柏行きが先に出ていきました。ここで列車番号も変わります。浅草から春日部までは「S1045」として来ましたが、春日部からは柏行きが「S1401A」、大宮行きが「S1802A」となります。
19:33、大宮行きも出発です。ガタガタと野田線に転線していきます。ちょうど隣を先ほど浅草駅で見たスペーシアXが回送されていきました。
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春日部からは、八木崎、豊春、東岩槻、岩槻と各駅に停車していきます。急行より停車駅が多く、まさに通勤ライナーにふさわしい走りです。ただ、野田線内完結の2~6号については春日部、岩槻、大宮と、急行と同様の停車駅です。まずは隣の八木崎に停車。通学の高校生たちが気軽に利用しているのが印象的でした。
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野田線の主要駅、岩槻駅に到着です。大宮発のアーバンパークライナーの利用を促進するポスターが掲示されていました。
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岩槻からは再び急行運転します。19:54、終点の大宮に到着しました。大宮駅ではすべてのドアが開いた後、車内清掃に入ります。大宮発の3本のアーバンパークライナーのため、清掃員さんがいらっしゃいます。車両はこのあと、アーバンパークライナー2号柏行きとなります。
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個人的には、浅草駅で北に向かっていた先頭車両が、ぐるっと半円を描いて大宮駅で南側にくる、というのが面白いと思いました。
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前述の通り、大宮駅でのアーバンパークライナーの乗車位置は真ん中の号車のドアから。わかりやすいように、わざわざ軒下に案内板が下げられていました。この乗車位置案内は大宮駅1面2線のホームの両側にあり、どちらにも入線が可能なようです。
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すでに多くの方が乗車位置に列をなしていました。アーバンパークライナー2号は春日部までが特急料金が必要な区間。そのためその先まで乗る場合でも予約は春日部までとなるので注意が必要です。
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大宮の駅名標とリバティの並びも一旦は見納め。
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野田線の新型車両60000系電車との並びも見ておきましょう。
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最後に、JRの大宮駅とリバティが並ぶ光景を見て大宮駅を後にします。
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なお、アーバンパークライナー廃止による代替列車として、浅草発春日部行きのスカイツリーライナーが平日に1本、大宮発野田市行きの普通列車が平日に2本、土休日に1本設定されます。
浅草発のアーバンパークライナーはなかなかの乗車率でしたが、大宮駅で待っている方の多さを見ると、野田線内完結のアーバンパークライナーも成功しているようです。春日部駅の高架化工事後に再び両線が繋がった時、アーバンパークライナーが復活するか楽しみにしたいと思います。