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東武線/日比谷線の「THライナー」に乗る【有料座席指定列車】

鉄道
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東武鉄道と東京メトロが運行する有料座席指定列車「THライナー」に乗車しました。

THライナー|東武鉄道公式サイト
THライナーに関するご案内です。THライナーの各種情報を確認いただけます。

「THライナー」とは、東武伊勢崎線と東京メトロ日比谷線を直通運転する有料座席指定列車で、2020年に登場し、人気を博しています。平日は朝に上り列車が2本、夕方から夜にかけて下り列車が5本運行されています。土休日も本数は同じですが、ダイヤが変わります。

停車駅は、朝の上りは久喜発で、東武動物公園、春日部、せんげん台、新越谷、上野、秋葉原、茅場町、銀座、霞ヶ関、虎ノ門ヒルズ、神谷町、六本木、広尾、恵比寿下りは霞ヶ関発で、銀座、茅場町、秋葉原、上野、新越谷、せんげん台、春日部、東武動物公園、久喜となっています。

朝の上りは、東武線内の新越谷までは乗車専用、メトロ線内の霞ヶ関までは降車専用、霞ヶ関から恵比寿までは指定券なしでも自由に乗降できる区間となります。夜の下りは、霞ヶ関からメトロ線内の上野まで乗車専用、新越谷から東武線内の久喜までが降車専用です。主要駅である北千住には停まりません。

座席指定料金は、久喜・東武動物公園・春日部~メトロ線内が大人680円、子ども350円。

東武鉄道HPより

せんげん台・新越谷~メトロ線内が大人580円、子ども300円。

東武鉄道HPより

指定券の購入は、駅の券売機かオンラインで可能です。オンラインでは一か月前から、券売機では前日から購入可能となります。

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東武鉄道では先に東上線で関東大手私鉄の有料座席指定列車のはしりとなる「TJライナー」を運行していましたが、ついに本線系統でもメトロ線直通の有料座席指定列車が走り始めました。メトロ線直通の有料座席指定列車としてほかに西武鉄道の「S-TRAIN」が挙げられ、運行形態も似通っています。ともにロングシート/クロスシートのマルチシート車で運行し、中間の主要駅である池袋駅/北千住駅を飛ばし、また、2社にまたがるため座席指定料金は割高になっています。

今回は平日の霞ヶ関駅17:02発の「THライナー1号」に全区間乗車します。オンラインで座席を指定します。座席表から好みの席を細かく指定することができます。

今回はちょうど、THライナー3周年を記念してチケットレスキャンペーンが行われており、通常680円のところ、500円で購入することができました(WEBでの購入でのみ適用されます)。

霞ヶ関駅にやってきました。日比谷線のほか、丸の内線、千代田線も乗り入れています。

ホームには乗車位置がしっかり表示されています。私が乗るのは3号車。

改札前の自動券売機のほか、ホームでも指定席券売機が設置されています。ここで買うと座席の細かい指定はできません。ただ、やはり駆け込みで買うには券売機が便利。この日も複数の方が購入されていました。

時間になり、THライナーの車両が回送されてきました。車両は通常の列車として中目黒駅まで運転したあと、引き上げ線で座席を転換し、回送列車として霞ヶ関駅へと入ります。

使用車両は70090型で、クロスシートとロングシートとを転換できるデュアルシートを採用した電車です。一般列車として走る際はロングシートにして運行されます。こうしたL/Cシートの車両は東武鉄道では50090型以来の登場です。50090型は「TJライナー」用の車両として2020年に登場した車両で、7両編成の列車6編成が配置されています。

早速乗り込みます。

内装は通勤列車なのでシンプルですが、品のある赤のデザインの座席はホールド感のある座り心地で、ややふかふかしているように感じます。

車内案内モニターは2画面で見やすく、多言語に対応しています。

座席のヘッドカバーには「THライナー」の案内が。

電源はなんと前後に2か所あります。

フリーWi-Fiも飛んでいます。これで通勤中の作業も可能。

定刻で出発です。霞ヶ関発車時点では私の号車には私ひとり。日比谷を通過し、銀座に到着。少し時間が早すぎるので誰も乗ってきません。次の3号や5号からはもっと乗車する人が増えるでしょう。

続いて東銀座、築地、八丁堀と3駅通過し、茅場町に到着。東西線との乗り換え駅です。ここで私の車両にも5〜6人の方が乗車されました。

日比谷線はラッシュ時間で高密度で運転されているため、THライナーも速度を出すことはできません。こうした列車の優位性はあくまで着席サービス。混雑の激しいラッシュを快適に過ごす手段です。

次の乗車駅は秋葉原。JR各線やつくばエクスプレスとの乗り換え駅です。ついに座席が半分ほど埋まりました。

続いて大ターミナル駅、上野に停まります。上野でかなりの席が埋まった後は新越谷まで停まりません。

三ノ輪を通過し、地上へ出ます。すぐに高架区間に入り、南千住を通過します。

南千住駅手前でJR貨物の隅田川駅が見えました。貨物駅は日常生活でなかなか目にするものではないので楽しいです。

隅田川を渡り、京成本線と交差し、浅草から来た東武線の本線と合流します。下に見えるのは半蔵門線直通の急行列車。

ターミナル駅である北千住には運転停車し、メトロから東武の乗務員さんに交代します。ホームでは「通過」と案内されます。

北千住を出るとすぐに荒川を渡ります。ここからは複々線。反対側にはJR線とつくばエクスプレスの橋梁も架かっています。

複々線を走りますが、日比谷線からの直通運転なので、内側の緩行線を走ります。そのため前の列車が使えており、西新井までは非常にゆっくりとしたスピードで走ります。先ほど荒川橋梁で田園都市線/半蔵門線から来た急行列車に抜かれました。

西新井をゆっくり通過し、ついに急行線に入ります。ここからは本領発揮。急にスピードを上げて、日比谷線内でひとつ前を走っていた普通北越谷行きを追い抜きました。さらに、越谷で先ほど抜かれた急行を抜き返しました。せんげん台から先はTHライナーの方が先に着きます。うまく考えられたダイヤですね。

外環道を超えてついに初の降車専用駅、新越谷駅に到着です。何人か降りていきました。通過する各駅へは次に来る区間準急館林行きに乗り換え。北越谷駅はJR武蔵野線の南越谷駅との乗り換え駅です。

先ほどまでののろのろ運転が嘘のように飛ばしに飛ばし、続いてせんげん台に到着。緩急接続が取られており、通過する駅へは隣のホームの普通南栗橋行きに乗り換えです。

北越谷で複々線は終わり、高架線から地上に下ります。心地よい走りで進み、春日部に到着。アーバンパークラインとの乗り換え駅です。THライナーには座席指定券なしの自由乗降区間はないため(上り列車はメトロ線内の霞ヶ関~恵比寿間で自由乗降)、春日部でガラガラに。同じくメトロと共同運転のS-TRAINにも自由乗降区間はありません。

しばらくすると北春日部の車両基地が見えてきました。ラッシュ時間なので多くの列車が出払っています。

特急車両も何編成か見られました。

なんと「デラックスロマンスカーカラー」のスペーシアも。かつての1720系の塗装を再現したものです。

続いて東武動物公園に到着。東武日光線は乗り換えです。

日が暮れ始めました。右手に日光線が分かれていきます。

新幹線の高架をくぐり、いよいよ終点の久喜です。

久喜駅に到着しました。すべてのドアが開きます。

車両は一度引き上げ線に入った後、回送で北春日部などに戻り、再び営業運転に就くものと思われます。

西口に出ます。久喜駅はJR宇都宮線と東武伊勢崎線の駅です。隣を新幹線が通過していきます。

久喜到着は18:19。霞ヶ関から1時間17分の旅でした。

私は日常的な利用客ではないため最混雑時間を避けた関係で、私の乗った車両は満席になることはありませんでしたが、ちまたで言われているよりは成功しているように感じました。確かに、条件の近いS-TRAINの平日の有楽町線直通と比較するとやや寂しい感じはしますが、西武池袋線とちがい、恵比寿/上野~久喜間で並行するJR線が強力であることを考えると、その中で、東武線の混雑緩和に一役買っていることは確かでしょう。S-TRAINの指定料金が豊洲~小手指間で510円なのに比べ、恵比寿~久喜間が680円とやや割高感を感じますが、今回割引サービスがあったように、今後料金の引き下げが模索されていくかもしれません。

一昨年は期間限定で下り列車を草加に臨時停車させる実証実験も行われるなど、S-TRAINに練馬停車が加わったように、より利便性を考慮して進化していくものと思われます。今後の展開に期待したいと思います。

同じく東武鉄道の東武東上線に走る有料座席指定列車「TJライナー」に乗車した記録はこちら。

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