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小田急バスの最長路線「宿44」系統(新宿駅〜武蔵境駅)に乗る

バス
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小田急バスの長大路線「宿44」系統に全区間乗車しました。

実は小田急バスの高速バスを除く路線の中で最長の路線は、新宿駅とよみうりランドを結ぶ小田急バス若林営業所の「よみうりランド線(系統番号なし)」です。しかしこの路線は毎年6月の日曜日にしか運行がない季節運行便。

定期運行の最長路線は「よみうりランド線」の次に路線が長い「宿44」系統(新宿線)となります。「宿44」は小田急バス吉祥寺営業所の管轄です。日常的に新宿駅に入る小田急バスはこの系統のみ。

小田急バス「宿44」系統路線図
運行系統 「宿44(新宿線)」新宿駅西口~幡ヶ谷駅~永福町~上高井戸~吉祥寺営業所~吉祥寺駅~連雀通り商店街~武蔵野赤十字病院~武蔵境駅南口 

新宿駅西口を出ると甲州街道を西に走ります。明大前までほぼ京王線に沿って走る形です。明大前の手前で井の頭通りに入り、今度は井の頭線に沿って進みます。吉祥寺駅の南口に到着後、今度は三鷹の森ジブリ美術館の方に進み、三鷹市狐久保の交差点で連雀通りに入って、最後に武蔵野赤十字病院を経由し、武蔵境駅南口に到着します。

運行は平日・土休日ともに12往復。所要時間は1時間15分。総距離は18キロ超です。ほかに、吉祥寺営業所前から武蔵境駅南口までの片道が、出入りの系統として2便出ています。

運賃は驚きの220円。都区内運賃が適用されます。そのため前扉の乗降です。

今回はそんな小田急バス「宿44」系統に全区間乗車していきます。乗車するのは新宿駅西口15:45の便。終バスです。

新宿駅西口ののりばは、小田急ハルクの下の35番のりば。前述の季節運行のよみうりランド線のほか、小田急バスの高速バスが発着しています。

ちなみに6月のみの季節運行便には前述の有名な「よみうりランド線」のほかに、出入りの系統である若林営業所行きも運転されています。こちらの方がレア感がありおもしろいかもしれません。よみうりランド線の運賃も驚愕の220円。

バスは10分前には到着してドアを開けていました。

車両は小田急バス吉祥寺営業所の車両で、多摩ナンバー。営業所記号は「A」です。

早速乗り込みます。新宿駅からの乗客は、私を含めて10人ぐらい。

定刻で新宿駅を出発です。新宿駅は大規模な再開発の真っ最中。

西口ロータリーをぐるっとまわり、甲州街道に入ります。

角筈二丁目、西参道などに停まりながら、バスは京王線にそって甲州街道を進みます。首都高速新宿線と合流しました。このあたりまでは他の路線バスは都営バスの出入りの系統があるのみでしたが、初台駅から京王バスも走ります。

途中、初台、幡ヶ谷、笹塚、代田橋と各駅に接続し、松原の交差点で井の頭通りへ。かつては都営バス、京王帝都電鉄と共同運行だったため、現在も京王バスと共用のバス停もあります。ちなみにその共同運行のバスは、武蔵境駅から新宿駅を経由して東京駅まで結んでいたそうです。

中野通りをオーバーパスで交差します。京王線の高架が見えました。

今度は環七通りをアンダーパスで交差します。そろそろ帰宅ラッシュなので、ところどころで渋滞がみられました。

甲州街道から井の頭通りに曲がる交差点が渋滞していたため、ここで10分の遅れがうまれました。ここからはこのバスの単独区間。バス停の間隔も広くなるように思います。

「永福町」に到着です。井の頭線の永福町駅に接続しています。永福町駅に隣接している京王バス永福町営業所が見えました。新宿発の高速バスや京王バス唯一の燃料電池バスも所属しています。

続いて浜田山駅近くの「浜田山」に到着です。といっても永福町から北は井の頭線と井の頭通りは少し離れるため、浜田山駅までも少し歩く必要があります。

大宮前交差点で環八通りと交差します。まっすぐ行けば高井戸駅、反対側は荻窪駅です。

都立西校前や松庵エリアを過ぎると、杉並区を出て武蔵野市に入ります。井の頭通りは大きな渋滞ものなく流れていました。

「吉祥寺営業所前」に停車します。小田急バス吉祥寺営業所があり、このバスも吉祥寺営業所の所属です。高速バス車両も見えました。吉祥寺営業所前から武蔵境駅南口までは「宿44」の出入りの系統が片方面にのみ出ています。

井の頭線の高架をくぐり、いよいよ吉祥寺駅に到着です。吉祥寺駅ののりばは井の頭通り沿いの一番端の、8番のりば。他に調布駅北口行きが出ています。「宿44」はコミュニティバスを除く、吉祥寺を発着する一般路線バスの中では唯一吉祥寺駅を起終点としない路線だそうです。

反対方面の「宿44」新宿駅西口の吉祥寺駅でののりばは、同じ井の頭通りの井の頭線の高架をくぐった先の1番のりばです。

すぐに左折して吉祥寺通りに入ります。吉祥寺駅〜武蔵境駅間はほかに、小田急バス「吉01」系統も出ていますが、武蔵境駅付近で天文台通りを通るため、微妙に経路が異なります。「吉01」は高頻度で運行されており、使い勝手のいい路線です。

井の頭恩賜公園の間を抜けていきます。木々が美しい通りです。

「万助橋」から三鷹市に入ります。有名な三鷹ジブリの森美術館を通ります。

「下連雀」から右折して連雀通りを進みます。いわば鉄道空白地帯ですが、連雀通りはバスの本数が多く、近隣の駅へのアクセスは便利。

新武蔵境通りと交差します。再び武蔵野市に戻ってきました。武蔵野市はギザギザしていて、吉祥寺駅、三鷹駅の北半分、武蔵境駅と連続して武蔵野市内にあります。

連雀通りから右折して武蔵境通りに入り、武蔵野赤十字病院の構内に入ります。「宿44」のほかに、武蔵野市のコミュニティバス「ムーバス」が発着しています。

最後にかえで通りを武蔵境駅南口へ向かいます。

終点の武蔵境駅南口に9分遅れで到着です。途中15分ほどの遅れで進んでいましたが、武蔵野赤十字病院から武蔵境駅までの間の時間をダイヤ上で長く取ってあったためか、幾分早く着きました。

武蔵境駅は中央線快速の他に西武多摩川線も発着するターミナル駅。多くのバス路線が出ており、南口からは主に小田急バスと京王バスが発着しています。

武蔵境駅南口からの「宿44」ののりばは2番のりば。ほかに、国際基督教大学行きや武蔵小金井駅行きが発着しています。

乗ってきたバスはすぐに回送として走り去っていきました。吉祥寺営業所に戻るものと思われます。長距離路線による運転時間の関係か、出入りの「入り」のバスは営業しないのが印象的です。

最近こうした本数の少ない名物路線に乗っていて思うのですが、1日2便とかのわりに多くの乗客があることに驚かされます。なかには土曜日の早朝に1便のみといった限界免許維持路線もありますが、こうした知名度もある程度あり、日中の使いやすい時間に走っていれば使う人はいて成立するということです。世の中にはマスの需要と離れた、時間がかかっても安いほうがいい、本数が少なくても家の近くで停まるほうがいい、シルバーパスが使える、といった細かい需要があり、そうした需要にこの「宿44」も応えていると感じました。

ちなみに、新宿駅~武蔵境駅を普通に鉄道で移動すると約17分、318円。「宿44」を通しで乗ると何倍も時間がかかりますが、約100円安く移動ができるというメリットがあります。また、沿線の移り変わりを眺めているのもおもしろいものです。ぜひ一度乗り通してみてください。

【追記】残念ながら「宿44系統」は2024年3月15日(金)をもって廃止となります。今後は休日の午前中に新宿駅西口~吉祥寺駅中央口間を「宿44系統」として1便のみ運行します。詳しくは小田急バスHPをご覧ください。

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