常磐線の特急「ひたち」はE657系で運行される特急列車です。かつては上野駅から出ていましたが、2015年の上野東京ラインの開業により、ほとんどの列車が品川まで乗り入れるようになりました。現在、上野の地上ホームを出発する「ひたち」は平日9時発の「ひたち5号」のみに。
そんな上野始発の「ひたち」も、2023年3月のダイヤ改正ですべて品川始発になり、上野地上ホーム始発の「ひたち」は全廃されます。
最後に1本だけ残された上野駅発のひたちは、かつて特急列車が頻繫に発着していた地上16番線から。9:45頃行ってみると、すでに列車が入線していました。特急ひたち5号いわき行き。
歴史ある上野駅は時代の流れとともに複雑な作りになっていてひたちが出発する16番線の隣の15番線ホームの上にはさらにホームが設けられています。頭端式のホームに高い天井はヨーロッパのターミナル駅を想起させます。
東京から北に向かう列車はかつては上野駅から出ていました。そんな過去の面影を残す最後の長距離列車がこのひたち5号。福島県のいわきまで向かいます。ちかくには石川啄木の有名な歌が。
特急ひたちは毎時1本走っており、仙台に行くものもあります。長距離、速達タイプのひたちに加えて、茨城県の勝田まで向かう停車型の特急ときわも毎時1本走っています。
まもなく出発。
天井が高く、ドーム状の意匠が素敵です。やはりこのホームには遠くへ旅立つ優等列車が似合います。
軒下の乗車位置案内も見ておきましょう。もうここから発車するひたちの定期列車はなくなります。
ホームの端まで来ると、かつて全国で見られたような国鉄の駅のホームの雰囲気に。
今後はこのホームから出る常磐線特急は定期列車では平日8:30発の特急ときわ53号勝田行きのみに。
9時ちょうどに出発です。K15編成でした。
上野地上ホーム発がなくなるのは寂しいですが、品川直通のメリットは東京、品川まで乗り換えなしで行けるだけでなく、羽田空港へのアクセスも品川で京急に乗り換えるだけで済むなど、良いことずくめです。新幹線網の発達やモータリゼーションで長距離特急が減っていく中、品川から仙台まで4時間半以上かけて結ぶ在来線特急は貴重です。今後も末永く運行されてほしいと思います。