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【拝島駅】横田基地への「米軍専用線」を歩く

おさんぽ
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JR青梅線、五日市線、八高線と西武拝島線が乗りいれる拝島駅には、米軍基地輸送のための専用線が通っています。

これは、拝島駅近くにあるアメリカ軍の横田基地に続いている、燃料補給のための輸送を担う線路で、JR線から西武線を平面交差して西武線の拝島駅の前を通り、住宅街を抜けて基地へと至ります。線路はJR貨物が管理していて、「米軍横田基地線」と呼ばれます。

拝島駅の手前から右手の上方向に伸びている線路がその専用線です。米軍基地まで続いているのがわかります。

今回拝島駅に行く機会があったので、散策してみました。

JRの拝島駅と西武の拝島駅は別の建物ですが、連絡通路で繋がっています。ちょうど八高線の車両が2編成と、私が乗ってきた西武線の車両が停車していました。

専用線は、JR側から西武線と平面交差して西武駅側に向かうため、西武線の車内から専用線の様子がよく見えます。架線はありません。

左手が拝島駅で、専用線は大きく右にカーブしていきます。列車を降りて散策してみましょう。

拝島駅の西武側(北口)に出てすぐ、目の前に専用線の踏切があります。駅の前に駅を通らない線路がある面白い景色です。

こちらが先ほど西武線から見た側。

駅前の踏切は「横田1号踏切」だそうです。これから住宅街を抜けていくため、短い路線ですが踏切はいくつもあります。

駅周辺の専用線の敷地には有刺鉄線が貼られており、英語と日本語で書かれた警告文が掲載されています。

専用線のそばから拝島駅を眺めます。青梅線の車両が到着していました。

警告文は一定間隔で置かれています。物々しい雰囲気。

次に、基地側に歩いていきます。駅前を流れる玉川上水を渡ります。

玉川上水に架かる橋梁の隣にある通行用の橋は「平和橋」。

専用線沿いにずっと道があるわけではありませんが、基地まで近くを通っていくことはできそうです。

警告文はところどころはがれていて解読しがたいですが、この線路内は米軍基地の一部であることがわかります。土地と設備は米軍が保有していて運行と管理はJR貨物がしているということなのでしょう。主に日本人の住民に向けて書かれているはずなのに英語表記が先になっています。「刑事特別法」の英語表記が「KEIJI TOKUBETSU LAW」になっているのが面白いと思いました。慣習的にそうするものなのでしょうか。

線路沿いに道はなく、住宅の裏を通っています。何本も踏切が見えます。非電化で単線ですし、どこかローカル線の風情があります。

最後に五日市街道を渡ります。交通量の多い通りです。普段ほとんど列車がこないため、「青信号 一時停止不要です」と書かれています。

この先は、自動車教習所の手前に公道があるため、行けるところまで行ってみます。

奥に横田基地が見えてきました。

行けるギリギリのところまできました。線路はフェンスで封鎖されています。

この専用線は、空軍基地である横田基地に、ジェット機の燃料を運ぶ目的で使われています。かつては物資輸送も行われていたとか。燃料は、まず、JR鶴見線の安善駅(米軍の貯油施設がある)から、南武線、青梅線を経由して拝島までやってきます。南武線と青梅線の間は立川駅の先で短絡線を通ります。拝島に着くと機関車を付け替えます。この短い非電化区間のために、DE10形かDE11形が拝島駅で待っています。その後横田基地へと入っていくというわけです。この燃料輸送は通常「米タン」と呼ばれます。

運行は基本的に火曜日と木曜日だそうですが、運行しない日もあれば平日は毎日運行されるということもあるそうです。午前中にディーゼル機関車が拝島駅から横田基地へと空の貨車を受け取りに行き、拝島駅で電気機関車に付け替えて安善駅まで持っていき、貨車を燃料で満タンにして横田基地へと返すという流れです。専用線を電化するという話もあったものの、安全上の理由からか米軍が断ったとか。今度は実際に輸送が行われているところを見に行きたいと思います。

拝島駅に帰ってきました。もう一度駅から、駅前の専用線の踏切を眺めます。

拝島に行かれた方はこの独特の雰囲気を感じてみてください。

実際に「米タン」の貨物列車を見学した記録はこちら。

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