2025年9月16日に運行開始した、日立自動車交通のバス「綾瀬ライナー」に乗車しました。
「綾瀬ライナー」は、日立自動車交通が運行している「晴海ライナー」の出入庫便として設定されたもので、綾瀬駅の近くの「綾瀬二丁目」バス停から、「晴海ライナー」の起点である「東京駅八重洲北口」バス停まで運行する路線です。
「綾瀬二丁目」発の途中の停車は「都営浅草駅」「上野駅」「新日本橋駅」「日本橋高島屋」で、降車のみ可能です。乗車は「綾瀬二丁目」のみとなります。

「東京駅八重洲北口」発の途中の停車は「呉服橋」「三井記念美術館」「京成上野駅」「浅草駅」で、乗車専用となります。また、往路と微妙に停留所が異なります。

運賃は、大人210円、子ども105円。
完全キャッシュレスバスの実証運行を実施しており、支払いは全国交通系ICカードのみ可能です。

時刻表や、運行の詳細、バス停の位置などは公式ホームページをご覧ください。
日立自動車交通の車庫は綾瀬にあり、このバスは出入庫で回送するバスを営業運転するものです。
時刻は現在、平日の綾瀬二丁目発が6:05(晴海トリトンスクエア行き、東京駅八重洲北口には停まらず)、6:55、11:50の3本、土休日の綾瀬二丁目発が6:50、7:50、11:50の3本。東京駅八重洲北口発が平日・土休日とも18:42、19:30の2本。
今回は、綾瀬二丁目11:50発の便に乗車してみました。

綾瀬二丁目バス停は、綾瀬駅の東口を出て徒歩8分ほどの川の手通り沿い。

「綾瀬ライナー」のバス停は、ジェイアールバス関東やコミュニティバスなどのバス停と共用です。

綾瀬二丁目バス停は現在は綾瀬ライナーのみが使用していますが、もともとは葛飾区コミュニティバス「レインボーかつしか」のバス停でした。路線は昨年2024年6月に休止されており、しばらく使われていない状態でしたが、綾瀬ライナーで復活した形です。
もともとあった「レインボーかつしか」の案内の上に綾瀬ライナーの案内が貼り付けられています。


「晴海ライナー」「綾瀬ライナー」には一般的な車両のほかに、水素で走る燃料電池バス「sora」や、電気バス「K8」も充当されており、バラエティー豊かな車両たちを楽しむことができます。運用は固定されていませんが、ホームページのリアルタイム位置情報で、どのバスがどこを走っているかを簡単に知ることができます。
このアイコンが燃料電池バスです。

バスは出発の5分も前にやってきました。昼間の便なのもあって乗車は3人。朝晩の通勤通学時間帯の便はもっと乗客が多いことでしょう。

写真は撮り損ねましたが、一般車両でやってきました。楽し気な音楽とともに出発です。

浅草駅までノンストップなので、追い越し車線を進みます。他の路線バスを追い越して進むので楽しいです。

川の手通りを南下し、京成本線の高架をくぐります。

右折して綾瀬川、荒川を渡ります。


千住曙町を抜けて今度は隅田川を渡ります。どんどんスカイツリーに近づいていきます。

隅田川の西岸を南下し、浅草エリアに入ります。東武線の浅草駅の横を通過し、最初の降車バス停「都営浅草駅」に停車します。ここから乗車することはできません。

綾瀬二丁目からの所要時間は30分。綾瀬から浅草までは、鉄道だと千代田線と東武スカイツリーラインを乗り継いで約25分、360円ですが、乗り換えなしで210円で行けるのは魅力的です。
都営浅草駅バス停はジェイアールバス関東のバス停で、常磐方面の高速バスの様々な路線の降車専用バス停として使われていましたが、現在は茨城交通の大子・太田線のみが使用しているようです。

都営浅草駅を出ると、今度は浅草通りを進み、すぐに「上野駅」に停まります。このバス停もジェイアールバス関東のバス停で、同じく茨城交通のみが使用していたようです。

上野を出ると昭和通りを南下し、秋葉原駅を通過します。沿線の堀切菖蒲園駅や秋葉原駅にも停まればいいようにも思いますが、このバスは停車を大きく絞っています。

中央通りに入り、次のバス停「新日本橋駅」に停まります。JR総武線新日本橋駅のすぐ上で、Ovol日本橋ビルの前のバス停です。中央区コミュニティバス「江戸バス」と、千代田区コミュニティバス「風ぐるま」のバス停を使用しています。江戸バスと風ぐるまはそれぞれ日立自動車交通が運行を担当しており、自社のバス停を使用する形です。

日本橋を渡ります。

続いて中央通りをさらに南下し、最後の途中停留所「日本橋高島屋」に停まります。こちらはもともと「晴海ライナー」が発着しているバス停です。

続いていよいよ終点の「東京駅八重洲北口」に停まります。平日6:05発の便のみ東京駅八重洲北口に停まらず、日本橋高島屋から晴海ライナーとなり、晴海トリトンスクエアまで向かうので注意してください。

終点の東京駅八重洲北口に到着です。時刻表上の所要時間は綾瀬二丁目から1時間ですが、この日は約20分も早着し、約40分のバス旅でした。バスは回送で晴海トリトンスクエア方面に走っていきました。

鉄道利用では綾瀬駅から東京駅まで約30分、230円の距離を倍の時間かけて走りますが、特に夜の混雑時間帯に座って帰れるのであればかなり利用価値があるかなと感じました。

また、昨今の運転士不足によるバスの減便や廃止の波が高まる中で、新路線の開設という嬉しいニュースでした。まずは通勤ライナーの形で乗客が定着し、長く続くことを願います。
次の晴海トリトンスクエア行きは電気バスでやってきました。BYD社製の大型電気バス「K8」です。日立自動車交通は東京23区内で初めて大型電気バスを導入した事業者です。

大変快適なバスでした。綾瀬や常磐線方面の方は通勤通学にぜひ利用してみてください。
「晴海ライナー」の燃料電池バスに乗車した記録はこちら
「晴海ライナー」の大型電気バスに乗車した記録はこちら