多客期に中央東線の新宿~小淵沢間で運転されている「ホリデー快速ビューやまなし」号は、オール2階建て車両の215系電車が使われています。デザインも他のJR車両と一線を画すヨーロピアンな雰囲気で、存在感があります。
新宿~甲府~小淵沢間は特急あずさ、かいじが頻繁に走る区間で、行楽シーズンは臨時の特急も設定されるほど。ホリデー快速ビューやまなしは快速列車なので、特急料金を払わずに乗ることができ、人気の列車です。
10両編成で運転され、乗車券だけで乗れる自由席が6両、指定席が2両、グリーン車指定席が2両繋がれています。指定席料金はどの区間でも530円で、グリーン車は距離によってことなります(新宿~小淵沢は1,990円)。
秋の行楽シーズンで自由席は混雑すると思い、今回は指定席を予約しました。
新宿駅は11番のりばからの発車です。立川方面の中央線快速のホームです。
すでに入線していました。圧倒的な雰囲気で城のよう。
215系は1992年に東海道線の通勤ライナー用としてデビューし、着席サービスでの大量輸送を実現。その後、快速アクティーや湘南新宿ラインに使われた後、現在は定期列車として「湘南ライナー」「おはようライナー新宿」「ホームライナー小田原」の運用と、観光シーズンの土休日にこの「ホリデー快速ビューやまなし」として使用されています。
The Double Decker Liner DDLのロゴが。
両端の車両が電動車で、一階部分にモーターを積んでいて、中間の車両はすべて付随車です。フランスのTGVや韓国のKTXのような感じですね。
新宿駅の特急ホームにはこうして号車の案内が下がっており、臨時列車のホリデー快速ビューやまなしのものもありました。現在やってくるのは、あずさかいじのE353系と特急増便時に使われる波動用の5両編成のE257、10両編成のホリデー快速ビューやまなし用215系、それにホリデー快速おくたま号のE233系も停車するようです。
10両編成の2ドアで、車両の両端が平屋席、中心は二階建てになっています。
こちらは二階席。スッキリしたデザインでのボックスシートになっています。
こちらは一階席。二階より頭上部分に余裕がある印象です。
こちらは平屋席。両端をそれぞれA室、B室と呼んで区別しているそうです。車体の高さはもちろん二階建て部分と変わらないので、とても天井が高いです。
私は6号車指定席の平屋席をあてがわれました。天井が高く、開放感があります。
215系はえきねっとで指定席を予約する際、細かな座席の選択はできません。選択肢がまず1階と2階に分かれており、さらにボックスシートのA、B、C、D席を選択します。1階を選択すると、車両の両端か中心かを選べます。平屋席は1階に数えられていて、両端を選ぶと平屋席になるようです。
また、ボックスシート内の窓側はA、D席、通路側がB、D席になります。新宿から小淵沢へはA席が進行方向を向いた窓側席です。小淵沢から新宿へはD席が進行方向窓側の席です。
えきねっとで指定席を予約する際の私のおすすめは、往路は高いところから景色を楽しめる二階のA席、帰りは春と秋ならすでに車窓が暗いので1階の車両両端のD席、つまり平屋の進行方向の席です。
ホリデー快速ビューやまなし号の主な客層は八ヶ岳などの登山やトレッキング、それに勝沼でのフルーツ狩りや清里方面への観光客です。ところがこの日は雨で気温も低く、そのような需要には適さない日でしたので、思った以上に空いていました。
新宿を9:02に出発、すぐに185系と並走しました。池袋始発の特急踊り子用の送り込みです。こうしてみると東海道線のようですね。現在新宿池袋への踊り子は185系とE257系と両方使われているようです。
発車するとき、ガタンと強く引っ張られる感覚があります。動力が両端の車両にのみあるため、間の車両は客車のように引っ張られて走るからです。
吉祥寺付近を通過中。
停車駅は新宿を出ると、三鷹、立川、八王子、高尾、相模湖、大月、勝沼ぶどう郷、塩山、山梨市、石和温泉、甲府、韮崎、小淵沢です。特急かいじ並みの停車駅で主要な観光スポットをおさえていて、特急料金不要で乗車券だけで乗れるのですから、ありがたい列車です。
臨時列車なので一般の認知度は高くないと思われ、乗っていいのか乗車を戸惑う人や、間違って指定席車両に乗ってくる人が各駅にいました。車掌さんは2名乗車していて、1名の方はグリーンと合わせて合計4両の指定席車両を常にぐるぐる回っては指定券を確認したり、自由席へ案内したりと大忙しです。
八王子駅ではお馴染みの石油輸送の貨物列車がいました。立川と八王子で結構乗車がありました。
高尾に停車。ここから先は211系がメインになります。ロングシートとセミクロスシートの2タイプがあり、どちらがやってくるかは運だそうです。
京王線とお別れ。高尾山口に向かう路線です。
こちらも一気に山間部に入っていきます。高尾を出るとすぐに山梨県に突入。
高尾の次は相模湖に停車。
雨の桂川。列車は桂川沿いに走ります。
大月に停車。富士急行線と連絡します。今話題の205系がここでは普通に走っています。赤のラッピングが素敵。
勝沼ぶどう郷に停車。坂道に面しているために昔スイッチバックして停車していた時代のホームと、当時使われていたであろう機関車が残されています。
晴れていれば絶景の勝沼ぶどう郷も曇天だとパッとせず。
続いて塩山に7分間停車。上下の特急を通過させるのですが、どちらも臨時列車のE257系でした。グリーン車のない5両編成の波動用編成です。かなり混んでいました。特急がばんばん走る路線が本当に好きです。
約2時間で甲府に到着。私はここで下車します。列車はさらに山道をのぼり、長野県との県境が近い小淵沢まで行きます。小淵沢から小海線に乗り換えて清里、小諸方面に行くこともできます。
小淵沢に着くと、車両は一旦甲府の手前の酒折まで回送されるようです。そしてまた夕方に小淵沢に戻され、再度新宿に向かいます。
甲府は一大ターミナル駅。甲府城を突っ切るようにして、かつてお城だったところに作られています。駅の両側にお城の跡を見ることができます。
甲府駅の駅ビルは、JR東京西駅ビルが運営しているセレオです。ほかには八王子や国分寺などにあります。
駅前のバスターミナルから高速バスも発着しています。通常だと新宿にばんばん出ていますが、コロナの影響で間引き運転、また成田空港行きは運休になっていました。
甲府駅前で山梨名物ほうとうを食べました。
山梨交通の古いバスを見かけました。ほかには国際興業バスのカラーリングをしているバスが多くありました。国際興業の傘下にあるようです。
甲府駅からはJR東海の身延線が出ています。3両編成の特急「ワイドビューふじかわ」号は373系で静岡まで行きます。
最後に甲府城跡の公園から駅を眺めてみました。
帰りはこちら。
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