東武鉄道が運行する、東武東上線の有料座席指定列車「TJライナー」に乗車しました。
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「TJライナー」は他の大手私鉄でも運行されている通勤通学に便利な有料座席指定列車のはしりのような存在で、2008年から運行され、人気を博しています。平日は朝に上り列車が5本、夕方から夜にかけて下り列車がなんと15本も運行されています。土休日はダイヤが変わり、朝に3本、夕方から夜に11本の運行です。
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停車駅は、上りは森林公園発で、東松山、坂戸、川越、ふじみ野、池袋。下りは池袋を出ると、ふじみ野、川越、川越市、坂戸、東松山、森林公園、つきのわ、武蔵嵐山、小川町。主要駅である和光市や朝霞台には停まらない、遠近分離の方式がとられています。
座席指定料金は、朝の上りが大人470円、子ども240円。夕方から夜の下りが大人370円、子ども190円。
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朝の上りは、ふじみ野からは大人370円、子ども190円となります。夕方から夜の下りは、ふじみ野からは指定券なしで誰でも乗ることができます。
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指定券の購入は、駅の券売機かオンラインで可能です。オンラインでは1週間前から、券売機では前日から購入可能となります。
今回は平日夕方17:00発の「TJライナー1号」に全区間乗車します。オンラインで予約し、座席指定します。
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乗車する列車をタップすると、到着駅がふじみ野になっていますが、そのままでOKです。どこまで乗る場合でも実際の座席指定はふじみ野までで、ふじみ野からは自由乗降となるため、このような仕様になっています。
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座席位置の項目で「座席表から選択」を押すと、細かい座席指定ができます。比較的空いている号車の、車窓を楽しめる席にしました。
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時間になったので池袋駅に向かいます。
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この圧倒的な本数。東上線には有料特急がないのもありますが、他社を圧倒するような有料座席指定列車の数です。東上線ではTJライナーは当たり前の存在になっています。
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自動券売機横にTJライナー専用の座席指定券売機もあります。時間が近づくと座席指定券売機の前に列ができます。
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TJライナーの発着番線は5番ホーム。TJライナー発着時は専用ホームとなります。
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TJライナーでは、THライナーなどとは違い、専用ホームが設けられ、改札があります。係員の方がいて、QRコードを表示して改札を通過します。京急の「ウィング号」などと同じ仕組みです。
専用ホームで改札を済ませているので、すべてのドアが開きます。
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使用車両は50090型で、クロスシートとロングシートとを転換できるマルチシートを採用した電車です。一般列車として走る際はロングシートにして運行されます。こうしたL/Cシートの車両はのちに西武鉄道の40000系や、京王電鉄の5000系などに広まっていき、有料座席指定列車として使える車両の定番となっていきました。
内装は大変シンプルで、座席と座席の間の肘掛けもありません。
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50090型は「TJライナー」用の車両として2008年に登場した車両で、6編成が配置されています。東武東上線は全列車が10両編成の固定で、車両形式にかかわらずすべての種別の列車に入ります。
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車両は川越特急として池袋に到着後、車内清掃をしてTJライナーとなります。川越特急は誰でも乗れるいわば無料のTJライナーで、クロスシートで停車駅を大幅に絞って運転されます。
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なお、以前は座席定員制で座席数分のチケットを発売するという形でしたが、2019年から座席指定制に変わり、好みの席をあらかじめ指定できるようになりました。
THライナーの70090型などと違い、この車両はデビューが古いのもあり、電源はありません。フリーWi-Fiは設定されています。
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池袋駅を定刻で出発です。17:00発という、ラッシュには少し早い時間の出発ですが、座席の半数以上が埋まる活況。
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出発時に仰々しい音楽が流れます。池袋を出ると、急行等が停車する成増、和光市を通過します。そして川越特急も停車する朝霞台も通過。一路、ふじみ野を目指します。
北池袋までJR埼京線と並走します。池袋運輸区の車両基地が見えました。
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地下鉄副都心線、有楽町線と合流し、和光市を通過します。和光市からは複々線になります。
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列車はスピードを落とすことなく各駅を通過していきます。JR武蔵野線との乗り換え駅である朝霞台も通過。
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複々線区間はまだしも、池袋〜和光市の複線の最混雑区間さえもスピードを落とさず進むのがすごいですね。志木駅を通過します。志木を出ると再び複線に。
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最初の停車駅、ふじみ野に到着しました。ふじみ野からは自由乗降の区間です。私の号車からは数名が下車し、それより多くの方が乗られました。緩急接続もふじみ野でとられます。
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次の川越は2面2線のため普通列車との接続がなく、すぐに発車します。JR川越線との乗り換え駅です。
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川越駅と川越市駅との間で、西武新宿線と交差します。西武新宿線はこの立体交差の建設時に単線だったため、複線化以降もこのあたりのみ単線のままです。
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続いて隣の駅の川越市に停車します。ここで急行森林公園行きに接続します。急行はこの先各駅に停まります。西武新宿線の本川越駅はここから歩いて10分ほど。
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川越市を出ると入間川を渡ります。入間川橋梁はかつて架け替えられ、旧橋梁の跡も見られます。このあたりは川の多いエリアです。
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次の停車駅は坂戸。越生線との乗り換え駅です。ここで多くの人が降りて行かれました。
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越辺川を渡ります。次は東松山に停車です。
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東松山に到着です。ここからは各駅に停まります。東松山までに、池袋から乗られた乗客とふじみ野以降に乗られた座席指定なしの乗客が入れ替わった印象を受けました。
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次は森林公園です。朝のTJライナーは森林公園が始発です。
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森林公園の次はつきのわ。連続で停車します。
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続いて武蔵嵐山に停車です。車内も空いてきました。森林公園、つきのわは比企郡滑川町、武蔵嵐山は比企郡嵐山町、小川町は比企郡小川町。埼玉県は合併せず残っている町がたくさん残っています。
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武蔵嵐山〜小川町間で美しい森林の中を通ります。私はこの区間が東上線の中で一番好き。
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武蔵嵐山を出ると次は終点の小川町。到着は18:00ちょうどで、池袋からぴったり1時間の旅でした。
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東武東上線は池袋〜小川町と小川町〜寄居で系統が分かれています。寄居行きは4両編成の普通列車のみ。ローカル線の趣です。小川町ではほかに、JR八高線と乗り換えられます。
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乗ってきたTJライナーは、折り返し川越特急となり、再び池袋へ向かいます。
川越特急の記事はこちら。
TJライナーは、この運行頻度と利用状況を見ても、他の有料座席指定列車と比較して大成功を収めているといえるでしょう。すでに運行開始から長い年月が経つ、有料座席指定列車のはしりとなったTJライナーは、他の一般列車の間を縫って走るのではなく、特急列車のように他の列車を待避させながら、池袋からスピードを保ったまま終点まで駆け抜けます。
この運行頻度があるからこそ、時間を気にすることなく直前に指定券を買い、気軽に乗ることができます。帰宅時間が一定ではない中で、列車に合わせて帰る形になる他の有料座席指定列車とちがった、TJライナーならではの強みでしょう。このことは、同様に有料特急のない京王線の「京王ライナー」にとっても示唆的なはずです。有料座席指定列車は私鉄各社が新設、増発の流れにあります。関東大手私鉄のなかで設定がないのはいまや相鉄だけ。その礎を築いたTJライナーにぜひ乗ってみてください。
東武の本線系統を日比谷線直通で走る「THライナー」に乗車した記録はこちら。
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