東武バスウエストの「川越03」系統(川越駅~鴻巣免許センター)に全区間乗車しました。
「川越03」系統は東武バスウエスト川越営業所の系統で、東武バスグループ屈指の長距離路線です。川越市、川島町、吉見町、鴻巣市と4つの自治体を経由します。東武バスの最長路線はどこだろうと思い乗車しました。おそらくこれが最長路線。
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運行系統 | 川越駅~本川越駅~神明町車庫~城西高校~平沼~小見野~古名~鴻巣駅~鴻巣免許センター |
「川越03」は東武東上線の川越駅を出発後、西武新宿線の本川越駅に停車、「蔵の街」を経由して札の辻、神明町車庫(東武バスウエスト川越営業所)と進みます。国道254号線と合流し、入間川、越辺川と渡り、川島町に入ります。川島インターの手前で鴻巣川島線に入り川島町内をひたすら北上、今度は市野川を渡り吉見町へ。続いて荒川を渡り、鴻巣市へ。鴻巣駅東口に入ります。平日は鴻巣駅からさらに東に進み、免許センターまで向かいます。土休日は鴻巣駅どまりです。
全線を乗り通すと所要時間は約1時間5分。運賃は724円(IC)。なお、鴻巣駅ののりばは上下線で異なり、鴻巣免許センター行きは東口に、川越駅行きは鴻巣駅西口に停車します。また、川越駅発20時以降の便は鴻巣駅まで行かず、途中の新荒子止まりです。
東武バスウエストでは川越地区をのぞいて、全線乗り放題となるフリーきっぷなどは発売されていません。2022年末には東武バス設立20周年を記念したワンデーパスが発売されました。
早速乗っていきましょう。JR川越線、東武東上線の川越駅にやってきました。東口に出ます。
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「川越03」ののりばはは東口バスターミナルの4番のりば。ほかに「川越05」系統・神明町車庫行きも発着しています。
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隣の3ばんのりばから鴻巣の2つ隣の桶川駅行きが先に出発していきました。あちらも長距離路線。
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乗車するバスがやってきました。10:35発、東武バスウエスト「川越03」系統・鴻巣免許センタ―行き。後乗り前降りのバスです。神明町車庫から川越駅行きとしてやってきたものと思われます。
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早速乗車します。1時間5分のバス旅のスタートです。
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バスは10名ほどを乗せて出発です。バスは駅前ロータリーをぐるりと回り、アカシア通りに入ります。
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先に発車していった神明町車庫行きに追いつきました。
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西武新宿線と交差する手前の交差点を右折します。右手にボンネットバスの「小江戸巡回バス」が信号を待っていました。川越エリアの観光用のバスです。
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本川越駅に到着です。西武新宿線と接続しています。川越のもう一つのターミナルであるためここで乗車する人は多く、バス路線は基本的に川越駅と本川越駅の両方を経由します。本川越駅の「川越03」ののりばは5番のりば。通り沿いの一番端です。
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待っていた人は半分が先を走る神明町車庫行きに、あと半分がこちらに乗ってきました。遠近分離が図られたような形です。
連雀町の交差点を過ぎて川越坂戸毛呂山線を進みます。道幅が狭くなり、歴史的な景観が広がるエリアです。
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バスは「蔵の街」エリアをゆっくりと進みます。平日ですが観光客でごった返していました。
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「一番街」、「札の辻」で何人かの観光客の方が降りていきました。
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川越の発展を支えた新河岸川を渡ります。市街地を抜けて住宅エリアに入りました。
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「神明町車庫」に到着です。前を走っていた神明町車庫行きはここで終点。車庫に引き上げていきました。
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東武バスウエスト川越営業所はすぐ隣にあります。
「厚正会病院前」で通院の方が多く降りていかれました。バスはさらに北上し、山田交差点で国道254号線に合流します。片側2車線の通りです。病院アクセスのほか、城西高校への通学利用も多そうです。
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入間川を渡り、川越市から川島町に入ります。
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続いて渡るのは小畔川。
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さらに、最後に越辺川を渡ります。
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三本もの川を渡ると、すぐに左折して鴻巣川島線に入ります。
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「伊草小学校前」の先の交差点で「川越02」系統・東松山駅行きとはお別れ。ここからは「川越03」の単独区間です。先ほどの国道254号線と交差し、鴻巣方面に走ります。
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首都高速中央環状線と立体交差しました。ちかくに川島ICがあります。
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川島町内は田園風景が広がっています。まだ青々とした稲が美しいです。遠くには山々も見えます。
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これぞ日本の原風景。バスはゆっくりと田園地帯を走り抜けます。川島町内には鉄道路線は一本も通っておらず、したがってこの「川越03」は川越駅、鴻巣駅双方に出られる重要な公共交通機関です。
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市野川を渡ります。ここから吉見町に入ります。
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吉見町内では特に乗降がなく、古名の交差点を右折して東松山鴻巣線に入ります。これまで北に走ってきましたが、今度は東に向けて走ります。
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すぐに「川幅日本一の標」が見えてきました。堤防から堤防までを川幅とするため、ここが日本一広い川幅の地点となります。
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大変見通しの良い橋を渡ります。川幅の中の大半の部分は原野か、新田開発された田んぼか、少しの住宅です。
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まずは原野が広がります。
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川が近づくにつれて田んぼが見えてきました。反対側には住宅もあります。
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荒川の流れ自体は狭く、広大な河川敷は豪雨災害時の調節の機能を担っています。
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対岸の「川幅日本一の標」を見て鴻巣市街に入りました。駅周辺には高層マンションも建ち並んでいます。
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高崎線の線路を渡ります。奥には鴻巣駅のホームが見えます。
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鴻巣駅に到着です。このバスは鴻巣駅東口に停車します。「川越03」の川越駅行きのバスは反対側の西口に停まります。鴻巣駅からも乗車がありました。停車するのは川越観光自動車と共用の3番のりば。
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最後にけやき通りを直進します。ここからは朝日バスのテリトリー。他のバスに交じって免許センターアクセスを担います。国道17号線と交差しました。
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ついに終点の「鴻巣免許センター」に到着です。川越駅からの運賃は780円でした。川越駅行きのバスは向かい側の朝日バスが停車している1番のりばから発車します。
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歴史を感じる東武バスの「降車場」の標を背に、バスは回送されていきました。バスは折り返し11:50発の川越駅行きとして営業に就きます。
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鴻巣駅~鴻巣免許センター間はバスが高頻度で運行されており、常に乗客が多い区間です。
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私は免許の更新に来たわけではないので、周辺を散策します。鴻巣市文化センター「クレアこうのす」の隣のせせらぎ公園内に、蒸気機関車が静態保存されていました。このC11 322形蒸気機関車は高崎第一機関区で活躍したそうです。
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鴻巣の街は中山道の宿場町として栄えました。石碑が建っています。
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鴻巣名物の「いがまんじゅう」を購入しました。私がいただいたのは「いが栗まんじゅう」。大きな栗が入ったまんじゅうを赤飯でくるんであり、甘さと塩気が良い塩梅で大変美味しいお菓子でした。
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今回川越駅から鴻巣免許センターまで全区間乗車してみて、鉄道では直接行けない両区間をバスで行くと意外と近いと言うことや、そうした鉄道空白地帯をバスで繋ぐ意義を知り、また歴史的町並みから田園地帯、そして川幅日本一の景色まで、車窓の移り変わりを楽しむことができました。また、私の乗った便では吉見町内での乗降が一切なかったのも印象的でした。完全に車社会なのかな、とも感じました。
川越地区から高崎線方面に抜ける際や、埼玉県西部の住民の方の免許更新の際は、ぜひ乗車してみてください。