横浜ではかつて、路面電車が多く行き交っていました。そんな市電を保存・展示しているのが横浜市電保存館です。
横浜市電は1904年から1972年までおよそ70年もの間、横浜の発展とともに路線を広げ、愛されてきました。横浜の近現代史を語るうえで欠かせない存在です。地下鉄や路線バスに移管され廃止後も、後世にその歴史を語るべく設立されました。
横浜市電保存館のある場所は、かつて「滝頭車両工場」があった敷地で、現在では保存館のほかに市営バスの滝頭営業所、市民会館、市営住宅などが建ち並んでいます。
入場料は、大人300円、子ども100円。市バスでICカードを利用してきた人や、一日乗車券を利用してきた人は割引されて200円になります。
アクセスは、市営バスで「滝頭」か「市電保存館前」で下車します。私は横浜駅東口バスターミナルから市営バス102系統「滝頭行き」で向かいました。
保存館は滝頭バス停のある横須賀街道沿いではなく、営業所の裏にあります。保存館が見えてきました。手前はホールで、奥の市営住宅の一階が保存館になっているようです。
入場料を支払って入ります。市バスで来たので200円でした。入ってすぐ、横浜市電のプリクラが出迎えてくれます。
まずは実際の車両を展示したコーナーです。6両展示されています。その他にも市電で使われていた備品などがたくさん。
まずはネイビーのカラーリングが素敵な500型。60両も製造されました。前後に扉があります。
車内に入り、自由に座ったりすることもできます。木製の床の電車に乗るのはとても久しぶり。車内に入るだけで時代が変わったように当時の雰囲気に吸い込まれます。照明もレトロ。
運転台は非常に簡素でした。
続いて1000型。震災復興事業により購入されました。前後に加えて真ん中にも入り口専用の扉があります。真ん中にも車掌が配置されました。
こちらも非常に良い雰囲気。座席はふかふかで座り心地が良いです。
次は1100型。カラーリングが現在の横浜市営バスのものに近づいてきました。
モダンな内装から「ロマンスカー」とも呼ばれたそうです。
運転台はこんな感じ。
車内には広告のほか、路線図なども貼られています。
続いて1300型。中扉があり、運転台側の扉は折り戸になっています。
続いて1600型。ドアの配置が運転台のところと真ん中の二つという、バスのような配置になっています。
そして、1500型。振動や騒音が少なく、乗り心地が良かったため、「チンチン電車の決定版」と言われた名車だそうです。
最後に花電車。めでたい時に運行されました。
車両展示の次は、歴史展示コーナーです。市電は文字通り横浜の発展とともにありました。明治期に開業してから、関東大震災や戦争を経て、戦後の復興と高度経済成長期に市電は最盛期を迎えます。
路線図です。最盛期には13もの路線があり、横浜の街を網の目のように張り巡らしていました。
車掌さんの制服はこんな感じ。
横浜では昭和34年から47年にかけてトロリーバスも走っていました。レールを敷く必要がないため、建設経費が少なく済みました。
展示は最後に市電の地下鉄への移行の項へと入ります。横浜市営地下鉄としてブルーラインとグリーンラインの2路線が誕生しました。早くも昨年2022年に開業50周年を迎えています。
その他、鉄道模型の展示コーナーもあります。膨大な量が飾られていました。
また、ジオラマなどもあります。
最後に、保存館の前に古びたポールがあるのを見つけました。これは、横浜市電最後の架線用ポールだそうです。
盛りだくさんの展示でした。お子さん連れにも楽しそうです。
また、となりの滝頭営業所には水素で走る燃料電池バス「SORA」が3台所属しており、各路線で運用されています。滝頭営業所の「156系統」滝頭~パシフィコ横浜間を燃料電池バスに乗車した記録はこちら。
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