京王電鉄の短距離路線、京王動物園線に乗車しました。
京王動物園線とは、高幡不動駅から多摩動物公園駅までを結ぶ路線で、全線が単線です。総距離2.0キロで途中駅はありません。2021年までは本線からの直通列車が運行されていましたが、現在では線内のみの運転です。
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動物園線は、1960年にオープンした多摩動物公園へのアクセス路線として1964年に開業しました。明星大学や中央大学へのアクセスとしても賑わいましたが、その後の2000年に多摩都市モノレールが多摩センター駅まで延伸開業し、動物園線と完全に並行する上に両大学の近くに駅を設置したため、大幅に乗客を奪われました。
早速乗っていきましょう。高幡不動駅にやってきました。
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高幡不動駅は京王線のすべての列車が停まるほか、前述の多摩都市モノレールも発着します。多摩動物公園駅では多摩都市モノレールとの連絡運輸が設定されてないため、連絡定期券は高幡不動駅の乗り換えとなります。駅構内には車両基地もあります。
本線が2面4線の島式ホームで、動物園線が発着するのは1面1線の単式ホーム。行き先は多摩動物公園しかないため、発車案内には時刻のみ表示されています。
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1番のりばへはすでに「多摩動物公園」、「京王れーるランド」、「京王あそびの森HUGHUG」の可愛らしいラッピングが。
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3施設の開園案内も表示されています。これはとても親切。
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エスカレーターを降りて1番のりばにきました。
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動物園線は高幡不動駅から新宿方面に伸びています。そのためかつての直通列車は当駅でスイッチバックする形で多摩動物公園駅に向かっていました。京王八王子方には車止めが設置されています。
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列車がやってきました。動物園線専用ラッピングの車両です。京王7000系電車、4両編成のワンマン列車です。ヘッドマークと可愛らしいラッピングが施されています。
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ピンクのラッピングをベースに各施設のロゴとキャラクターが描かれています。
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早速乗り込みます。車内も驚くほど可愛らしい様子。
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まず乗り込んだのはゾウさんの車両です。各車両でテーマとなる動物が異なっています。
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座席のモケットもそれぞれデザインが異なる凝りよう。
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出発します。新宿方に進み、すぐに本線と分岐します。
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分岐すると急勾配を駆け上がっていきます。7000系がうなりをあげて進む様子は楽しいもの。奥には多摩都市モノレールの軌道が見えてきます。
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多摩モノレールが近づき、すぐそばを走るようになりました。多摩モノレールには途中に程久保駅があります。こちらの動物園線には中間駅はありません。
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このまま多摩モノレールと並走します。京王動物園線が日中毎時3本なのに対し、多摩モノレールは日中毎時6本と倍の本数が走っています。動物園線を利用するメリットは値段の安さと、空いていて座れることです。高幡不動〜多摩動物公園間の運賃は多摩モノレールが214円なのに対し、京王動物園線は140円と大変安価。
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多摩丘陵の側面は多くが宅地化され、家々が建ち並んでいます。その奥に多摩動物公園があります。
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モノレールの優位性のひとつは、高低差を調整できること。支柱の高さを変えることで高低差がより自在になります。
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3分ほどで終点の多摩動物公園に到着しました。この列車は2番線に到着です。
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多摩動物公園駅は1面2線の頭端式ホームで、2番のりばの有効長は4両編成分のみ。現在では新宿方面からの編成の長い列車はきませんが、時々長い1番ホームも使うようです。多摩動物公園駅には「京王れーるランド」の副駅名がついています。かつては両側に降車専用ホームが設置されていましたが、撤去されました。
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各車両の内装を見ていきましょう。ゾウさんの隣はライオンさん。座席のモケットも異なります。
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そのお隣はシカさん。
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最後はペリカンさんでした。
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改札を出ます。駅舎は大変立派。
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すぐ目の前には多摩モノレールの多摩動物公園駅があります。
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駅舎に向かって右手には「京王れーるランド」。「京王れーるランド」は駅に京王が運営しているテーマパークで、京王電鉄や京王バスの保存車両が展示してあったり、運転体験ができたり、ジオラマがあったりします。
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左隣には「京王あそびの森HUGHUG」が。こちらは完全に子ども向けの施設で、木の温もりをテーマにした親子で遊べる施設です。
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そしてもちろん多摩動物公園も目の前。
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かつては賑わったもののモノレールの開業で乗客を奪われ、ついには新宿直通の列車もなくなった京王動物園線ですが、現在でも20分ヘッドのダイヤを維持しており、専用の可愛らしさ満載の列車が運行されています。
動物園をはじめ各施設へはそんな動物園線で行ってみるのもいいかもしれません。