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【三密回避】平日昼間の特急ニューレッドアロー小江戸号に乗る

鉄道
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特急「小江戸号」は、西武新宿線の西武新宿から本川越までを結ぶ特急です。全車指定で、池袋線からは引退したニューレッドアロー西武10000系の車両が使われています。

日中で毎時1本、朝夕毎時2本ほどの運転がありますが、もともと日中の利用が少なかったのに加えて昨今のコロナ禍でさらに減り、ガラガラの車両が目に付くようになりました。現在は土休日の運転は朝夕含めてすべて取りやめになっています。

西武線の座席指定はオンラインでできます。座席マップから好みの席を選ぶことができます。

私鉄の有料特急はだいたい全車指定だと思いますが、急行格上げで自由席がたくさんあったJRでも、JR東日本では全車指定がスタンダードになってきています。コストや大変さを考えれば当然です。その代わりにスワローサービスの座席未指定券が用意されました。言い換えれば「特急の自由席」それ自体がレアになりそうです。

さて、所沢駅から高田馬場まで小江戸に乗ります。もう何度乗ったかわからないような列車ですが、改めて乗ると味わい深いです。所沢駅は大々的にリニューアルされ、新しい改札もできました。

オープンエアーの展望台もあります。電車の行き来を眺めている親子が多いです。

私が乗るのは14:50の西武新宿行き。所沢を出ると隣の東村山に停まり、次は高田馬場です。

赤い乗車位置が新宿線特急レッドアローの乗車位置。

反対側の池袋線の特急ラビューの乗車位置は黒です。

所沢駅は2020年度までにホームドアの設置を完了しました。

3分前に先に各駅停車が出た後特急がやってきます。この塗装のほかに復刻塗装の編成もあります。

乗り込んだのは数人ほど。特急料金はとても安く、高田馬場/西武新宿まで400円です。本川越から西武新宿まで全線乗り通しても特急料金は500円、ワンコインです。

最新型車両ラビューにはない自販機がレッドアローにはあります。これもクラシカル。最近は駅のコンビニで買って乗る人が多いように思うので、どれくらい売れているのか気になります。将来鉄道写真の中で見なくなりそうなものの一つです。自販機の向かいにはかつて公衆電話が置かれていたスペースがありました。

まっ黄色で暖色系のラビューと対照的に、レッドアローは落ち着いた色合いの車内です。国鉄特急っぽい感じ。コロナ禍だからか広告がなくなっています。

しかし国鉄の時代には当然なかった、車内Wi-Fiが搭載されています。

足元は結構広めです。ただ座席の下に機器があるのでそこまでは足を伸ばせません。

所沢を出ると隣の東村山に停まります。東村山駅は高架化工事の最中で、線路の切り替えかなにかをやっているところが見えました。

西武西武園線と合流します。西武園線も当然高架化されます。

工事の真っ最中。東村山駅は新宿線と西武園線、国分寺線が乗り入れるターミナル駅です。西武鉄道の前身がもともと国分寺から東村山を結ぶ路線と東村山から川越を結ぶ路線であったことから、東村山駅は西武鉄道の中でもかなり古い駅です。新宿から東村山、所沢に伸びたのではなく、東村山から村山線として田無、高田馬場、新宿と伸びていきました。そういう歴史のある駅です。

先行していた各駅停車をここで追い越します。各駅停車の停まっているホームの案内を見ると、新宿方面の各駅停車が出た後は逆方向の本川越行きの特急が来ることになっています。このほかにも西武園線と国分寺線のホームが同一線路上にあるなど、高架化工事に伴って複雑な運用になっています。

東村山を出ると高田馬場まで停まりません。右に国分寺線が分岐していきます。というかこちらが左にそれることからわかるように、あちらのほうが古いです。

高架化の過渡期を見ていくことができます。

新宿線の高架化区間は久米川駅手前までの約2.3キロ。

西武鉄道Webサイト
西武鉄道のWebサイト。時刻表、路線図、運行情報、乗換案内、運賃表など西武線のご利用案内から、特急ラビュー・特急レッドアロー号・S-TRAIN・拝島ライナーのご案内、レジャー情報、沿線での暮らしやおでかけ情報、企業情報などを提供しています。

小平の手前で今度は拝島線が合流します。拝島線は、時代も背景も異なる複数の短い路線を西武鉄道が一つにつなげてできた路線です。一部単線区間もあります。

特急券購入と座席指定をオンラインでできるチケットレスサービス「スムーズ」の案内にはレッドアローとS-TRAINが載っています。S-TRAINのデビューから拝島ライナーのデビューの間の約一年間で貼られたのかもしれません。

小平を出た付近で下りのレッドアローとすれ違いました。あちらもガラガラ。

続いて田無駅を通過します。中央線で言えば三鷹のような、特急が停まってもいいような駅ですが、中央線同様新宿からの距離が近いのと遠近分離の観点から特急も拝島ライナーも通過します。急行は本川越から田無までは各駅に停まり、ここから先を急行運転します。二面三線で真ん中の線は上下線どちらにも面していて、折り返し田無始発の車両は留置線に引き上げることなくここに停まっていたりします。

次の急行停車駅は上石神井です。上石神井には車両基地があります。

下落合を通過するといよいよ高田馬場駅に向けてカーブが始まります。池袋駅同様、JR線に沿うように駅があります。

JR線の下をくぐります。

大きく右にカーブして、さらに神田川を渡り、高田馬場駅に入ります。

高田馬場は地下鉄東西線も発着しており、しばしば直通案が聞かれますが、その案は高田馬場駅付近ではなく落合駅付近で合流し、東西線に乗り入れるというもののようです。

高田馬場駅もホームドア設置工事がされていました。

西武の特急はすでに池袋線では01系に置き換えが完了しており、新宿線でもいずれ10000系は引退するものと思われます。その後8両編成の01系にそのまま置き換わるのか(本川越駅で工事が必要)、また日中の需要減を鑑みて朝夕のみ走るのか、それも01系なのかS-TRAIN/拝島ライナーの車両でライナー列車として運転するのかなど、さまざまな予想がなされています。昨春に生まれた土休日の朝の下りの快速急行が特急置き換えの観測気球であるとみる向きもあります。私は新宿線は東武東上線の川越特急/TJライナーような、一般車両のクロスシートを使った、観光と通勤双方に向けた設定になるのではないかと思っています。ロングシートとクロスシートを切り替えられる車両は近年の大手私鉄で多く導入されているものです。朝夕に通勤ライナー運用、日中に観光列車運用、ロングシートで一般列車としての運用と柔軟に対応できるのは会社側には大きなメリットです。

この古き良き爆音特急が引退する日にはおそらくあまりにも多くの人が押し寄せるでしょう。いまは反対に人がほとんど乗っていないような状況なので、チャンスです。

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