西武バスの最長路線に乗ってきました。高速バスを除く西武バスの路線バスの中で最長なのは、西武バス所沢営業所の「大34」系統。所沢駅東口~大宮駅西口間、約24キロを1時間18分かけて結んでいます。
現在の運行本数は平日1日1往復のみ。かつては多く運行されていたようですが、徐々に本数を減らしていきました。
運行系統 | 「大34」所沢駅東口~中富~八軒家~上福岡駅入口~治水橋堤防~水判土~大宮駅西口 |
「大34」は所沢駅を出て東武東上線の上福岡駅入口を経由し、大宮駅まで向かいます。かつては所沢駅西口からでしたが現在は東口から発着しています。区間路線として「所58-1」(所沢駅東口~上福岡駅西口)があります。こちらは上福岡駅入口ではなく西口のロータリーに入ります。
2023年現在の主要バス停の時刻はこちら。
往路 | 所沢駅東口12:00→上福岡駅入口12:35→大宮駅西口13:18 |
復路 | 大宮駅西口13:32→上福岡駅入口14:01→所沢駅東口14:50 |
早速乗車することに。西武線の所沢駅にやってきました。近年駅ビルのグランエミオがオープンし、賑わいを見せています。
中央改札の前にはバスの発着案内が。大宮駅西口行きの表示がみられるのは一日に一度だけ。
東口に出ます。西武バス「大34」ののりばは3番のりば。他に航空公園駅行きなどが発車します。
出発の5分ほど前に、12:00発西武バス「大34」系統、大宮駅西口行きがやってきました。
早速乗り込みます。乗客は座席がほどほどに埋まる程度。結構な行列ができていましたが、10分前に出た新所沢駅行きに皆乗っていきました。いよいよ大宮まで約1時間20分の旅の始まりです。
所沢陸橋通りに入り、所沢陸橋を渡ります。西武池袋線と立体交差する陸橋です。3本線路がありますが、一番左の1本はJRとの連絡線で、この先のJR新秋津駅付近で武蔵野線と合流します。
東所沢駅・志木駅行きのバスは陸橋を渡って右折し、川越所沢線に入りますが、このバスは直進します。ここからは県道56号線(さいたまふじみ野所沢線)をひたすら進んでいきます。
所沢陸橋通りの新東橋付近は街路樹が良い感じ。
こぶし団地入口に到着し、多くの人が降りていきました。団地の反対側は航空公園の入口です。
航空公園を過ぎると、在日米軍の所沢通信基地が広がります。かつてはこのエリア一帯が所沢飛行場でしたが、戦後に接収され米軍基地となりました。現在は一部が返還され、市役所などになっています。
並木通り団地入口に到着、左手には所沢市東部浄水場が。
中富の交差点を越えると、昔からの大きないいお家が並んでいます。
中西に着きます。ロジック三芳という倉庫がそびえ立っていました。このあたりから三芳町に入ります。
上富の交差点を左折します。しばらく三芳町内を走ります。1日1便のバスにも関わらず、コンスタントに乗降があります。このエリアは前述の「所58-1」(所沢駅東口〜上福岡駅西口)と、「所58-2」(中富〜上福岡駅西口)も走っていますが、全部合わせて1日5便のみ。
左折すると、けやき並木通りと呼ばれる道に入りました。素晴らしい並木が続きます。
三芳町内も乗降があります。八軒家に着きました。ここまでが三芳町で、ここから先はふじみ野市に入ります。
これまで関越道に沿うように進んでいましたが、ここで関越道をくぐります。何度か曲がったりしていますが、ずっと県道56号線を進んでいます。
三角(さんかく)の交差点を右折します。大正時代にここに時計台が建てられたとかで、その記念碑が建っています。その先で川越街道と交差しました。ふじみ野市を縦断しています。
ショッピングセンターや郊外型の店舗が建ち並んでいます。いつのまにか富士見通りと呼ばれる通りに。
東武東上線の踏切が見えてきました。ちょうど池袋方面の電車が通過していきました。
向かって左手に上福岡駅があります。上福岡駅へは踏切を渡ってすぐの上福岡駅入口で降りて歩いて東口に向かいます。
先ほどの「三角」から西武バス「古01」系統(南古谷駅~上福岡駅入口~上赤坂)と合流しました。上福岡駅入口の手前で上赤坂行きのバスとすれ違います。川越営業所の系統で、結構本数があります。
このバスは五差路の上福岡駅入口交差点を右折します。「古01」は直進です。再びこの系統のみの路線に。
左手に福岡中央公園を見ながら進みます。「上福岡」、「桜通り」というこの系統のみのバス停を通過します。降りる人もいました。公園内にはかつての新幹線200系を模した防災倉庫があります。
この通りは桜通り。
慶珍塚交差点を左側のけやき通りに進みます。さいたま市方面に繋がる道です。
富士見川越バイパスと交差します。
だんだん荒川に近づき、田園風景が広がり始めました。まずは福岡橋を渡ります。下を流れるのは新河岸川です。
この辺りから再び県道56号線に復帰します。続いて船渡橋を渡ります。下を流れるのはびん沼川です。ここからさいたま市に入ります。
最後に荒川を渡ります。橋の名前は治水橋。かつての苦労が思われる名前です。
荒川の西側には大宮カントリークラブが広がっています。
荒川水系の本流、荒川です。川越からの舟運を支えた新河岸川とは赤羽で合流します。
荒川沿いは田園地帯。
さいたま市西区の市街地に入りました。西武バス「大35」系統(大宮駅西口~ららぽーと富士見)と行き交いました。「大35」とはびん沼川を渡る手前の「東大久保」バス停あたりから合流していました。
水判土(みずはた)交差点で西武バス「大31」系統(大宮駅西口~指扇駅)の指扇駅行きとすれ違いました。この辺りから複数の系統が走り、大宮の中心部に近づいたことが分かります。
三橋で新大宮バイパスと交差。
ソニックシティ前を通過。ソニックシティとは、埼玉県内最大級のホールや、会議場、ホテルなどからなる総合コンベンション施設です。大宮駅から歩ける距離。
ついに終点の大宮駅西口に到着しました。バスは三橋中央通り沿いに停車します。
所沢駅東口から大宮駅西口まで所定の乗車時間1時間18分、この日は遅れていたので1時間28分ほどの乗車でした。運賃は700円。私は西武バスの一日乗車券を購入したので600円で乗ることができました。ちなみに所沢から大宮まで電車を使うと1時間弱、570円で行けてしまいます。
大宮駅西口のバスロータリーには多くの西武バスが発着しています。この「大34」以外は西武バス大宮営業所の路線です。戦前、大宮駅西口には西武大宮線が走っていました。大宮駅西口と川越を結ぶ路面電車の路線で、埼玉県内初の電化路線でした。その名残から大宮には西武バスが多く走っています。
大宮駅西口での「大34」ののりばは栄えある1番のりば。「福岡線」と呼ばれているようです。
すでに先ほど乗ってきたバスが折り返し所沢駅東口として停車していました。折り返し時間短く慌ただしく出ていきます。
始発にして最終の所沢駅東口行きの出発を見送り、駅に向かいました。
西武バスの最長路線を楽しむことができました。平日のみ、昼間の1往復という難易度の高い路線ですが、沿線の移り変わる景色を見ていると一瞬のように感じました。
自治体も所沢市から三芳町、ふじみ野市、さいたま市と4つにわたり、それぞれの特色を感じられました。所沢市内では米軍基地跡地の先に昔ながらの家屋が広がる風景、三芳町ではさらに落ち着いた景色と、また関越道が近いため大型の倉庫も見られました。ふじみ野市内では道路沿いに大型の郊外型店舗が広がり、人口が増えている様子が伺えます。となりの富士見市にはららぽーともあります。新河岸川を経て荒川に近づくと徐々に田園地帯が広がり始めます。荒川でひとつ章が区切られる感じです。荒川を渡ってしばらくすると再び市街地が広がり、さいたま市の中心部、大宮へとたどり着きます。
素晴らしい旅でした。全線乗車される際はぜひ一日乗車券を使ってみてください。降りるときに購入の旨を伝えて支払うこともできます。
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