なの花交通とみちのりホールディングスが2023年9月23日より運行開始した「東京ひとめぐりバス」に乗車しました。
東京ひとめぐりバスとは、これまで直行しづらかったお台場、晴海、豊洲、日本橋、室町の各エリアを巡回バスで繋ぎ、周遊性を向上させる目的で設定されたバス路線で、ダイバーシティ東京プラザを起点に、時計回りと反時計回りの2ルートで運行されます。
運行は土休日とGWなどの長期休暇中で、運賃はおとな200円、こども100円。
運行系統 | ダイバーシティ東京プラザ~晴海3丁目~東京京橋~コレド室町~コレド日本橋~アーバンドックららぽーと豊洲 |
ダイバーシティ東京プラザから晴海3丁目に向かう時計回りを「なの花ライン」、アーバンドックららぽーと豊洲に向かう反時計回りを「さくらライン」と呼びます。
早速乗車してみましょう。起点であるダイバーシティ東京プラザにやってきました。
東京ひとめぐりバスが発着するのは、ダイバーシティ東京プラザ1階の東京テレポート駅ゲート付近。入口のすぐ横にのりばがあるので比較的わかりやすいです。
ちょうど時計回りのバスが停まっていました。
のりばに時刻表が掲載されていました。毎時1~2本の運行です。ルートマップが鯉の形に描かれており可愛らしいですね。各バス停間の所要時間も書かれており、特にダイバーシティから晴海や豊洲の間は20分も停まりません。
車両は「TOKYO LOOP BUS」とかかれた専用ラッピングの車両が使われます。乗車した便は14:58発の運行便。
なの花交通とは千葉県佐倉市が拠点のバス会社。貸し切りバスや高速バス、路線バスを運行しています。そのためバスのナンバーも千葉ナンバー。路線名も、それぞれなの花交通の「なの花」と佐倉市の「さくら」が由来だと思われます。
時計回りの便に早速乗り込みます。ダイバーシティの次は晴海3丁目。乗客は私のほかに5名ほどでした。
系統図によると、正確には時計回りが3つと反時計回りが1つの計4系統あるようです。一周する第1、第4系統に加え、豊洲からダイバーシティまでの時計回りの第2系統、ダイバーシティから豊洲までの第3系統が加わります。第2、第3系統は営業所からの出入りの系統です。時計回りのバスは豊洲から始まり豊洲で終わるのですね。
また、運行日を見ると、年末年始に加えて2024年2月からは水曜日の運行が始まるようです。
車両は一般的な路線バスタイプで、車内広告はららぽーとや三井ガーデンホテルなど、三井系の広告であふれています。
早速出発です。まずは湾岸道路に出ます。フジテレビの社屋が見えました。
アナウンスで観光案内が流れます。日航ホテルの方に回って台場青海線に入り、のぞみ橋を渡って有明へ。
豊洲市場の脇を通ります。並行して走る都営バス「都05-1系統」などとは微妙にルートが違うのが面白いです。このバスは次の晴海3丁目までノンストップ。
続いて環二通りの豊洲大橋を渡ります。
東京ひとめぐりバスの晴海3丁目バス停は、都営バスの晴海三丁目バス停とは位置が異なります。都営バスの方は晴海通り沿いの晴海トリトンスクエア近くですが、東京ひとめぐりバスはその手前の東武ストア晴海三丁目店から住宅エリアに入り、ぐるっとまわった先の、セブンイレブン晴海三丁目店とベイサイドタワー晴海の間に停まります。
東京ひとめぐりバスの晴海3丁目バス停は都営バスのホテルマリナーズコート東京前の近くです。ここで私以外の人が降りていきました。豊洲~晴海~お台場間の都営バスは頻繫に走っていますが、それでも大変混みあうため、この区間の移動手段が増えて便利になった形です。認知度が高まれば晴海~お台場間、豊洲~お台場間の利用はかなり増えるでしょう。
バスは時間調整の後に出発、次の停車は東京今日京橋です。晴海通りを快走し、勝鬨橋を渡って新大橋通り、鍛冶橋通りと進みます。
京橋宝町交差点を直進して東京京橋バス停に到着です。
東京京橋バス停は実は、三井ガーデンホテル京橋の目の前。そう、このバスは正しく三井系をめぐるバスなのです。車内のアナウンスで「東京駅はこちらでお降りください」とありましたが、東京駅までは歩くと少しあります。また、座席から見た感じではバス停のポールなどは未設置のようです。
また、車内アナウンスではミッドタウン八重洲の案内もなされていました。東京京橋では乗降はなく、バスは次にコレド室町(日本橋室町1丁目)に向かいます。
東京駅前を直進して日銀本店を過ぎ、室町3丁目の交差点を右折して進みます。
近くには、三井ガーデンホテルプレミア日本橋もあります。
停車するのはコレド室町1の前。日の丸自動車が運行するメトロリンクの日本橋室町1丁目バス停を使用します。東京ひとめぐりバスの単独のバス停ではないので乗り間違いに注意です。鉄道では三越前駅が最寄りです。
コレド室町でも乗降はなく、続いてコレド日本橋(日本橋南詰)へ。日本橋を渡ります。
コレド日本橋のバス停は、コレド日本橋の少し北側の現在工事中のあたり。こちらもメトロリンクの日本橋南詰バス停を使用します。
次はアーバンドックららぽーと豊洲。再び20分無停車です。八重洲通り、新大橋通り、新富晴海線と進み、佃大橋を渡ります。
一般路線バスの車両でこうした急行運転するのはなかなか楽しい体験。都心の景色をじっくり楽しめます。
春海橋から晴海橋梁が見えると、豊洲はもうすぐ。
バスはアーバンドックららぽーと豊洲の入り口の目の前まで入ります。
歩道を渡り、車寄せへ。
アーバンドックららぽーと豊洲に到着です。ここで大勢が乗ってきました。
バスは定刻で再びダイバーシティ東京プラザへ向けて走っていきました。
バス停は多くの人が通る豊洲駅方面の入り口ではなく、センターポートのナノユニバースのあるところの入り口にあります。
乗車してみて、臨海地区の交通の利便性向上がかなり求められているのだと感じました。運行開始直後で認知度がまだ足りない中でも、ダイバーシティ~晴海間、ダイバーシティ~豊洲間にはそれなりの乗車がありました。逆に、都心方面へのアクセスに関しては、先行する晴海ライナーなどを見ても、主要駅への停車が不可欠ではないかと感じました。当該地区の都営バスの混雑について先に述べましたが、臨海地区より先の東京駅、有楽町駅、門前仲町駅方面に関してもかなり混んでいます。
2024年2月からは水曜日の運行も始まります。現在は実証実験の段階ですが、今後は全曜日の運行も視野に入れるほか、正式に一般路線バスとしての運行に移行するとのことでした。その際バスターミナル東京八重洲など、東京駅に接続できたら大変うれしいですね。
東京駅方面から豊洲、有明、お台場方面へは「都心部・臨海地下鉄」構想もあるほど交通網の発達が求められている区間で、都営バスのほかに「晴海ライナー」や「東京BRT」などといったバス路線の開設が行われてきました。今回こうしてそうした路線網にまた一つ選択肢が増え、利便性が広がった形です。
お台場や豊洲へのアクセスに、ぜひ利用してみてください。
【追記】東京ひとめぐりバスは、2024年5月26日をもって運行を終了します。詳しくはなの花交通HPをご覧ください。
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