神奈中バスでは、2023年より大型電気バスを2台導入し、運行しています。
https://www.kanachu.co.jp/news/pdf01/somu/2023/04.27release.pdf
導入されたのは、中国のBYD社(比亜迪汽車)が製造する「K8」。すでに日本国内でも多く導入されており、脱炭素社会に向けた取り組みとして注目を集めています。
大型電気バス「K8」が導入されたのは、神奈川中央交通西の平塚営業所。まず2023年3月に1台導入され、その後4月に追加で1台が導入されました。
主に「平56系統(平塚駅北口~横浜ゴム食堂)」、「平157系統(急行)(平塚駅北口~本厚木駅南口)」などの平塚駅を発着する路線で運行されているということです。「平157系統」はジ・アウトレット湘南平塚の開業に伴い新設された系統で、急行運転します。
「平56系統」は横浜ゴム平塚製造所の通勤需要のための路線で、平日のみ。土休日は別の路線に幅広く活躍しているようです。もう一台の方は「平157系統」に入るというアナウンスがされていましたが、実際には平塚駅発着のさまざまな路線に入っているようです。また、運行されない日もあり、難易度は比較的高いですが、神奈中バスではバスロケーションサービスがあり、車両番号を入力するとその車両の現在地が把握できます。
車両番号で調べられるページはこちら。
そして、電気バスK8の車両番号は、「ひ201」と「ひ202」。「ひ201」は横浜ゴム専属で走ることが多いので、「ひ202」で検索してみます。するとこのように出てきます。
「ひ202」は朝から動いていればその日は一日動いていることが多いです。途中営業所に戻ったりもしますが、また運用に就くことも。
私は平塚駅から乗車しようとやってきましたが、ちょうど「ひ202」が二宮駅に向かっていたので、私も電車で追いかけることに。今回は二宮駅から神奈中バスの電気バスに乗車します。
乗車するのは「平32系統」。平塚駅北口を出ると市役所前、横浜ゴムなど市街地を抜けて、南原土手から金目川を渡って徳延・公所・松岩寺方面へ向かう路線で、中沢橋までは秦野営業所の「平76系統」と同一経路で走ります。その後、小田原厚木道路沿いに南下し、東海道新幹線の高架をくぐって国道1号線に合流し、二宮駅南口に入ります。平塚市から途中大磯町を経由して二宮町に至る路線です。平塚駅からひたすら国道1号線を進み、二宮駅を経由して小田原駅まで向かう路線もありますが、土曜日に1往復のみの免許維持路線となっています。
運行系統 | 「平32系統」平塚駅北口~横浜ゴム~南原土手~坂間~松岩寺~上寺坂~国府新宿~二宮駅南口 |
平塚駅から東海道線で2駅の二宮駅にやってきました。南口に出ます。
駅前のロータリーにバスのりばがあり、ちょうど電気バスが到着しているところでした。
神奈中バスの電気バス、「ひ202」です。平塚駅行きは二宮駅南口2番のりば。
二宮駅南口14:10発の「平32系統」平塚駅北口行きです。これまでの神奈中バスのカラーリングと違い、白の車体です。
側面と背面には「ZERO CARBON CITY ひらつか」のラッピング。平塚市は「ゼロカーボンシティ宣言」をしています。そのことを周知するための平塚市によるラッピングです。
電気バスである旨の記載も。
電気バスが運行される自治体は県内でもまだまだ少なく、平塚市のイメージアップにつながりますね。
早速乗り込みます。座席は背面が大きくリクライニングしたような角度の設計です。また、座り心地は硬め。
車内も白を基調としています。
窓に手すりがあるのもK8の特徴。
BYD社のロゴが貼られていました。
これまでK8に乗っていて気がつかなかったのですが、中国語の表記があるのですね。中国製の車両であることを思い出させます。「安全罩」とは安全カバーという意味。そのほかは英語で書かれています。
いよいよ出発です。平塚駅まで44分の旅のはじまり。乗車は4人ほどでした。まずは国道1号に入ります。
電気バスは滑るように走ります。揺れがないわけではありませんが、快適。
国府新宿で左折し、相模原大磯線に入ります。このバスは東海道沿いではなく山側をぐるりと回るように進みます。
大磯町に入り、のどかな景色の中を進みます。
東海道新幹線と交差しました。
しばらく東海道新幹線沿いに進みます。時折超高速で新幹線が走り去っていきます。
鷹取山と高麗山の間の山間を進みます。東海道新幹線も小田原厚木道路もこの山間を通るので挟まれる形に。
里山のような景色を抜けると平塚市に入り、高台の上の住宅街も見えてきました。松岩寺で時間調整のための停車です。
金目川を渡ります。この先で渋田川と合流し、花水川となります。南原土手で「秦野方面はお乗り換えです」とのアナウンスがありました。神奈中バスを多く見かけるようになります。
追分では「伊勢原方面はお乗り換えです」とのアナウンスが。神奈中バスはこのあたりの縦の移動や鉄道のないエリアにくまなく走ります。東海道線沿いと小田急線沿いの移動はバスが便利。
市街地に入り、横浜ゴムに停車します。もう一台の電気バス「ひ201」は主に横浜ゴム専属で走ります。通勤を担うため、日中はあまり見られないようです。
平塚八幡宮が見えると、右折してフェスタロードへ。
終点の平塚駅北口に到着です二宮駅南口からの運賃は600円でした。
平塚駅北口は多くのバス路線がひしめく巨大なバスターミナルで、たくさんの神奈中バスが行き交っています。
電気バスは待機スペースに移動します。
しばらくすると、「平60系統」田村車庫行きとして営業所に戻っていきました。
神奈中バスの電気バスにも無事乗ることができました。最初は本厚木駅に行く系統に乗るつもりでしたが、実際に運用を確認すると、愛甲石田駅行きや大磯方面行き、湘南めぐみが丘行きなど、その時になってみないとわからない運用で、難易度は高めでした。乗車される方はぜひ参考にしてみてください。
また、神奈中バスや神奈川県下の路線バスにおいて、次世代の脱炭素社会に向けたさらなる発展を期待したいと思います。
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