首都圏を路線バスだけを乗り継いで旅しています。前回は東京駅から横浜駅まで、燃料電池バスの路線バスに乗車したりして旅してきました。
今回は東京駅から大宮駅まで路線バスを乗り継いで行きます。荒川を越えて埼玉県の大宮へ。なかなか長い旅になりそうです。
東京駅丸の内北口 都営バス「東43」系統 荒川土手行き
東京駅丸の内口にやってきました。
前回は丸の内南口から東急バスに乗車しましたが、今回は丸の内北口バスのりばからの旅です。都営バス北営業所のロングラン路線「東43」系統・荒川土手行きは6番のりば。荒川土手とはあまりピンとこない行き先ですが、大手町、御茶ノ水、本郷、駒込、田端を経由して最後に隅田川、荒川を渡り北区江北地区まで向かう、東京を南北に走る重要な路線で、本数も頻繁に出ています。北営業所の管轄です。
10:29発荒川土手行きに乗車。乗客は5人。都営バスのIC一日乗車券を購入しました。モバイルSuicaでも購入可能で、大人500円で乗り放題(江東01系統をのぞく)。前乗り後ろ降りなので、乗車時に購入の旨を申し出るだけです。
まずは大手町を通って神田橋を渡り、駿河台方面へ。
明治大学の脇を通り、御茶ノ水駅を通過。御茶ノ水橋を渡ります。
順天堂医院から本郷通りに入り、本郷三丁目、東大赤門前と進みます。
続いて向丘、駒込地区に入り、駒込病院前で多くの乗車がありました。その後も北上し、田端駅を目指します。
西尾久、小台エリアに入り、都営荒川線と交差。その後隅田川を渡ります。
なお「東43」系統には途中の駒込病院前から荒川土手を経由して日暮里舎人ライナーの江北駅前に向かうものや、豊島五丁目から田端駅、駒込病院前に向かう路線もあります。
終点の荒川土手まで行ってもいいですが、再び同じルートを戻ることになるため、荒川を渡る手前の「宮城二丁目」で下車します。約1時間の乗車でした。最初なので余裕。
東京駅から大宮駅方面に北上するルートとして、北千住、西新井などを経由するルートや、池袋にでて赤羽へと抜けるルートなども想定されますが、今回は荒川土手の手前から王子駅に進むルートを選択しました。
宮城二丁目 都営バス「王40甲」 池袋駅東口行き
都営バス「王40甲」系統・池袋駅東口行きに乗って王子まで向かいます。西新井方面に抜けるより京浜東北線沿いを北上しようというルートです。池袋と聞くと南に戻ってしまいそうですが、王子までは西に少し進むだけ。王子から先のルートに繋げます。
「王40甲」系統は北営業所の路線で、池袋駅から王子駅前、荒川土手を経由して西新井駅まで向かう長い路線です。
待ってる間隅田川を眺めます。向かい側は豊島地区で、巨大な団地群があります。
頻繁にやってくる「王40甲」ですが、西新井駅から満席で立ち客もいる状態で到着。隅田川に架かる豊島橋を渡って豊島五丁目団地でさらにお客さんを拾い、一路王子へ。王子駅前は明治通り沿いの14番のりばに到着です。乗車時間は10分ほど。
王子駅前 都営バス「王57」系統 赤羽駅東口行き
続いて乗るのは都営バス「王57」系統・赤羽駅東口行き。こちらも北営業所の路線です。先ほど降りたバス停のすぐ隣の13番から発車します。
王子駅前11:51発に乗車。すでに満席でやってきて座れず。需要の多い路線です。
このバスは実は先ほどの宮城二丁目からほど近い豊島五丁目団地というところが始発。王子駅を経由して赤羽駅まで向かう路線です。そのため、宮城二丁目から豊島五丁目団地まで隅田川を渡りながら徒歩5分ほど歩けば、池袋駅行きを経由せずとも直接この赤羽駅行きに乗り継ぐことができます(より速く移動できるでしょう)。今回は一日乗車券を購入したのもあり、宮城二丁目から徒歩を挟まず乗り継ぐことを重視しました。
北本通りを赤羽岩淵駅の手前まで進み、赤羽駅に入るというルート。真下を東京メトロ南北線が並走しています。終始満員のまま20分ほどで赤羽駅東口に到着。
赤羽駅東口 国際興業バス「赤21」系統 鳩ヶ谷公団住宅行き
さて、東京都はここ赤羽が北限で、荒川を渡るとその先は埼玉県に入ります。その県境越えを果たすのに選んだのが国際興業バスの「赤21」系統。ここからは国際興業バスのテリトリーです。
駅前の国際興業バスが並ぶ島ではなく、少し離れた6番のりばから出発。なお、Googleマップではバス停の位置が1番のりばとなっていますが、間違っています。満席で出発です。ちょっと古めのバスに揺られ、県境越えを果たします。
国際興業バスIC一日乗車券を購入。大人700円で、飯能エリアや一部のコミュニティバス以外は乗り放題です。
これから乗るバスは後ろ乗り前降りになるので、乗車時は普通にICカードをタッチして、降りる時に購入の旨を申し出ます。注意してほしいのは、先ほどの都営バスの一日乗車券を購入したICカードで国際興業バスの一日乗車券を購入すると、都営バスの方の情報は失われるということです。当日中に再び都営バスに乗る人は別のICカードを用意してください。都営バスの方はモバイルSuica、モバイルPASMOでも購入できるので、国際興業の方はカードのSuicaにして分けると良いでしょう。
「赤21」系統は赤羽駅東口を出て川口市の鳩ケ谷中央病院の近くにある鳩ケ谷公団住宅まで結ぶ路線です。北本通りに入ると、新河岸川と荒川に架かる大きな橋、新荒川大橋を渡ります。埼玉と東京を繋ぐ重要な橋です。
そのまま岩槻街道を進み埼玉高速鉄道線と並走、鳩ヶ谷変電所前で日光御成街道という雅な道に入ります。終点までは行かず、手前の川口市役所鳩ヶ谷庁舎の最寄り「鳩ヶ谷庁舎」バス停で下車します。本数は少ないですが、同じく赤羽駅から出ている「赤20」系統・川口市立医療センター行きに乗ってここで降りてもOK。乗車時間は20分ほどでした。
乗り継ぎが20分あるので近くの団子屋さんに行こうと思っていましたが、本日はお休み。郵便局に寄ったり近所を散策したりして過ごしました。
鳩ヶ谷庁舎 国際興業バス「西川04」系統 東川口駅南口行き
同じバス停から今度は国際興業バス「西川04」系統・東川口駅行きのバスに乗車します。系統名の示す通り京浜東北線の西川口駅から来ます。
「鳩ヶ谷庁舎」バス停は味のあるつくり。赤羽駅からの路線と西川口駅とが交差し、鳩ヶ谷公団住宅、川口医療センター、東川口駅、鳩ヶ谷車庫とそれぞれの方向に分かれていくところです。
再び日光御成街道の旅です。日光御成街道は日光街道の脇往還として整備された街道で、幸手まで続いています。このバスは途中で右折し、安行支所や埼玉高速鉄道戸塚安行駅、戸塚支所を経由して武蔵野線東川口駅に向かいます。乗車時間は30分ほど。
安行エリアに入るにしたがって、大きなお家や緑が増えてきます。
終点の東川口駅南口に到着です。東川口駅はJR武蔵野線と埼玉高速鉄道線の駅です。駅前の広場が開放的で明るく、感じの良い印象でした。人の流れが絶えません。
ここで次のバスまで1時間ほど待ち時間があるので、遅い食事休憩にしました。
東川口駅北口 国際興業バス「東川81」 さいたま東営業所行き
次のバスは北口から発車するので移動します。東川口駅北口からは浦和駅行きも出ていますが、浦和駅から大宮駅へ一本で行けないため、さいたま市緑区にある国際興業バスの「さいたま東営業所」行きに乗ります。ほかに、岩槻駅行きや新越谷駅行きも出ています。
14:43発さいたま東営業所行きに乗車。今回初めて全区間乗車します。
埼玉高速鉄道と並走するかと思いきや、その西にある先ほどの日光御成街道を進みます。途中、東北自動車道と交差。終点のさいたま東営業所まで日光御成街道をゆく路線です。
所要時間20分ほどでさいたま東営業所に到着。ここで次のバスまで25分ほど待ちます。周囲は物流センターなどが立ち並び、お店なども待つスペースなどもないので、ここでの乗り換え時間を短くするか、見沼自然公園、さぎ山記念公園などに歩くと良いでしょう。
さいたま東営業所 国際興業バス「大81」系統 大宮駅東口行き
いよいよ最終ランナー。ここから大宮駅まで1本で行くことができます。東京駅の「東43」から数えて7本目。7本で大宮駅まで繋がることができました。
最後は国際興業バス「大81」系統・大宮駅東口行きに乗ります。こちらも全区間乗車。営業所から見沼、南中野、天沼などを通ってひたすら西に進み、大宮駅を目指す路線です。
15:29発に乗車します。乗客は2人。ここまで来ると疲れもありますが、達成感で包まれます。
営業所の近くには見沼自然公園があり、のどかな景色が広がります。
やがて住宅街に入り、少しずつお客さんを拾って、大宮に着く頃には満席になっていました。所要時間は約30分。あっという間です。市街地に入るといよいよ大宮に着くんだなという感慨がありました。
15:57、ついに大宮駅東口に到着。東京駅からの路線バス旅が終わりました。東京都内は都営バス、埼玉県内は国際興業バスを利用しました。
東京駅出発から全行程合計5時間半。途中1時間食事休憩したので、乗り継ぎと休憩での時間を引くと純粋な乗車時間は約3時間。
7本ものバスを乗り継いできましたが、都営バスと国際興業バスの2社のみでどちらも一日乗車券を使用したので、合計1,200円で済みました(もちろん一日乗車券を使用しなければかなりの額になります)。ちなみにJR上野東京ラインで移動すれば約30分、570円で移動できます。
路線バス旅の魅力は、地域住民の足である一般道を走るバスに旅人目線で乗ることで、普段素通りしている地域の新たな発見につながることです。道にも少し詳しくなったように思います。東京~大阪乗り継ぎなどの大きな旅でなくとも一日でも十分に楽しめるので、お時間のある方はぜひ挑戦してみてください。