西武バスの長距離路線「吉61-1系統」(吉祥寺駅北口~大泉学園駅南口~新座栄)に全区間乗車しました。
「吉61-1系統」は西武バス上石神井営業所の路線で、吉祥寺駅北口から西武新宿線の武蔵関駅や、西武池袋線の大泉学園駅を経由して、埼玉県新座市の新座栄までを結んでいます。縦に鉄道路線のない東京都西部を繋ぐ大変便利な路線で、常に乗客も多く、高頻度で運行されています。
「吉61-1系統」は「吉61系統」(吉祥寺駅北口~大泉学園駅南口~都民農園セコニック)の派生系統で、ほかに出入庫の系統して「吉61-3系統」(西武車庫前~大泉学園駅南口~新座栄)があります。都民農園セコニックも「都民」とつくものの、新座市内にあります。この吉祥寺と新座市内を結ぶ路線は西武バスで最初に吉祥寺駅に乗り入れた路線で、歴史ある路線です。
今回はより距離の長い「吉61-1系統」に吉祥寺駅から全区間乗車していきます。
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吉祥寺駅北口を出ると吉祥寺通りに入ります。東京女子大学入口、吉祥寺通り入口などに停車して、青梅街道に左折、すぐに関町庚申通りに入り、武蔵関駅入口に停車します。武蔵関駅には入らず、今度は富士街道へ。石神井台エリアを進み、西武バス上石神井営業所のある西武車庫前に停車。今度は学芸大通りに入り、大泉学園駅南口を目指します。
大泉学園駅南口のロータリーを出ると、地下で西武池袋線と交差して大泉学園通りをひたすら北上します。関越道と交差、大泉郵便局、大泉風致地区、都民農園などに停車すると、埼玉県新座市に入ります。都民農園セコニックから左折して市場坂通りに入り、終点の新座栄に到着です。
吉祥寺駅北口にやってきました。
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「吉61-1系統」などの大泉学園駅方面のバスが出発するのは、駅を出てすぐの場所にある4番のりば。
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停車するバス停数は31か所。所定の所要時間は52分です。
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昨今の人員不足の影響で、土曜ダイヤは日曜・祝日ダイヤに変更されていました。ご注意ください。
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日中の運行間隔は毎時10本。6分に1本やってきます。その中で、2~3本は大泉学園駅南口止まりです。
早速乗り込みます。車内はすぐに満席に。通常この系統は昼間であっても立ち客が多くなるのが普通で、需要の非常に大きい区間であることがわかります。都内でも挙げればキリがありませんが、ここに鉄道があったらいいのに、という区間です。
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最近は、新塗装(「S-tory」エストリー)の車両が増えてきました。
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料金は均一運賃の220円。一般に、東京都区内特別運賃が適用されるのは23区と武蔵野市、三鷹市、調布市、狛江市ですが、この路線においては新座市内まで乗車しても均一運賃が適用されます。また、東京都シルバーパスも利用可能です。隣の保谷駅南口行きの路線は、東京都西東京市にまたがるため対キロ区間制で、行き先によって運賃が変わり、保谷駅まで242円かかりますから、新座市内までの乗車は割安に感じられます。
吉祥寺駅北口を出ると、吉祥寺通りに入ります。バスの本数が非常に多い通りです。東京女子大学入口や吉祥寺通り入口で一定の乗降数があります。また、ここで武蔵野市から練馬区に入ります。「吉61-1系統」は大部分が練馬区内を走ります。
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吉祥寺駅から吉祥寺通りを経由して関町などに向かう路線はほかにも保谷駅方面行きや石神井公園駅方面行きなどがありますが、この大泉学園駅方面行きが最も本数が多く、常にバスが来ているような状態のため、短距離の利用も多く見られるように感じます。
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もともと「吉61系統」として都民農園セコニック止まりで始まった系統でしたが、現在は都民農園セコニック止まりの運用は夕方から夜に数本ある程度。練馬区に入り、関町地区を進みます。
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関町交番前の交差点を左折して少しだけ青梅街道に入り、すぐに今度は関町庚申通りに入ります。青梅街道は関東バスも多く通る通りです。
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関東バスは武蔵関駅に入りますが、西武バスは関町庚申通り沿いの武蔵関駅入口に停車します。石神井公園駅方面の系統は青梅街道を反対方向に曲がります。
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西武新宿線と交差しました。西武新宿線では現在連続立体交差事業が進行中で、中井駅から野方駅の間で地下化工事が進んでいますが、実はこの武蔵関駅のあたり(井荻駅~西武柳沢駅間)でも高架化工事が決まっています。完成すればこのバスの運行もよりスムーズになります。西武新宿線全体の風景も大きく変わることでしょう。
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武蔵関駅入口を過ぎると新青梅街道と交差します。保谷駅方面の系統は左折して新青梅街道に入りますが、このバスは直進します。
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富士街道に入ります。もともと川越街道から府中宿に向かう往来を富士街道と呼びましたが、現在は目白通りから田無までの路線です。
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西武車庫前に停車します。西武バス上石神井営業所が近くにあり、ここからの出入りの系統も存在します。ここで乗務員さんの交代がある場合もあります。
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富士街道から、大泉学園駅に至る学芸大通りに入りました。吉祥寺系統のバスのほか、上石神井駅、西荻窪駅、阿佐ヶ谷駅方面に向かう便もあり、頻繁にバスの往来があります。学芸大学の附属小学校、附属中学校がこの大泉学園にあり、学芸大附属前バス停からは多くの生徒さんの乗車があります。
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学芸大通りの道幅は比較的狭く、バス同士が譲り合う姿も見られました。
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大泉学園駅南口に到着です。ロータリーがバスのりばになっています。新座栄行きは4番のりばに停車します。
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大泉学園駅南口を出ると、西武池袋線と地下で交差します。
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続いて大泉学園駅北口に停車します。大泉学園駅の北口を出てすぐのところにも同名のバスターミナルがあり、大泉学園駅北口始発のバスはそちらから出ますが、このバスは大泉学園通り沿いのかなり離れたところに停まるので注意してください。対向でやってきた「泉32系統」大泉学園北口行きは、上石神井営業所ではなく新座営業所の系統で、大泉学園駅と朝霞駅を結びます。
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桜並木の美しい大泉学園学園通りを進みます。この通りも非常にバスの本数が多い通りです。
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大泉郵便局バス停あたりで関越自動車道と交差しました。関越道はこの先の大泉ICが起点です。
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大泉郵便局と大泉風致地区との間にあるヤマダ電機の壁面に、都営大江戸線延伸のポスターが貼られていました。このあたりに大江戸線の延伸区間の現時点での終点である「大泉学園町駅(仮称)」ができる予定です。
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詳しくは以下の記事をどうぞ。
また、「大泉学園町駅(仮称)」よりさらに先の東所沢駅まで伸ばす計画もあります。その区間を取材した記事はこちら。
大江戸線が伸びてくれば、このバスで大泉学園駅に出て西武池袋線に乗り換えている大泉学園町の方々の多くは大江戸線に流れるでしょうが、今度は大泉学園駅と大泉学園町駅とを結ぶ役割も期待されます。
天沼マーケット前を過ぎると、いよいよ埼玉県新座市に入ります。通りには栄四丁目商店街と書かれていました。
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すぐに都民農園セコニックに停車します。なお、都民農園セコニックの「都民農園」とは、かつて東京市農会が設立した大泉市民農園を指しますが、現在は存在しません。「セコニック」とは、近隣にある光学機器メーカーセコニック社を指します。バス停名はそのふたつを合わせたものです。バス停の前に広がるのは巨大ないなげや大泉学園店で、新座市栄にあるにもかかわらず大泉学園を名乗っています。
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左折して市場坂通りに入ります。埼玉県立新座総合技術高校が見えました。
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新座市立墓園を過ぎ、小道に入ってすぐに終点の新座栄に到着です。
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多くのバスが待機していました。写真に見える駐車場のさらに奥にもスペースがあります。もともと都民農園セコニック止まりだったのが新座栄まで伸びたのは1989年。新座栄にも折返し場が整備され、休憩機能が分散されました。
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新座栄からは、東武東上線の朝霞駅行きも出ています。所要時間は約15分。新座営業所の系統です。新座営業所行きの便もありますが、新座駅まで行くものはありません。
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検索してみるとわかりますが、新座市は非常におもしろい形をしており、一部は西武池袋線にも食い込んでいます。鉄道駅は武蔵野線の新座駅と、東武東上線の志木駅。志木駅は志木市ではなく新座市にあります。前述の大江戸線延伸区間には新座市内の駅もあり、さらに、車両基地を設ける計画もあります。
この新座栄はそんな新座市の東の端に当たります。Googleマップで「新座栄」で検索して町割りを見ると、大半が事実上大泉学園町の一部として構成された区画であるように見受けられます。
終点の新座栄の周辺には自然保護区である「妙音沢」や、「市場坂キツネノカミソリの里」など、自然あふれるエリアが残されています。妙音沢を少し歩いてみました。
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湧水が流れており、散歩コースが整備されています。
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よく見る行き先の「新座栄」ってどんなとこ?というテーマで歩いてきました。ぜひ「吉61-1系統」に乗車して、新座栄も散策してみてください。