JRバス関東「東京駅~東京港フェリーターミナル線」が開設
2021年12月にJRバス関東の高速バス車両による「東京駅~東京港フェリーターミナル線」が開設され、1日13便運行されています。東京駅八重洲口バスターミナルを出発し、途中、国際展示場駅と東京ビッグサイトを経由して、東京港フェリーターミナルへと向かう路線です。
この路線は、高速バス型車両を使用するものの高速道路は経由せず、また東京都区内で完結する非常に短い路線ということで話題になりました。終点の東京港フェリーターミナルでは徳島行きのフェリーが1日1便出るのみで、しかも車両を伴わない乗船は少ないと思われることから、ビッグサイトアクセスの向上という側面が大きいものと思われます。
東京駅からビッグサイトまでは、鉄道では新橋乗り換えでゆりかもめ利用で30分強ですが、ダイレクトアクセスでは都営バスも高頻度で運行されており、乗り比べてみることにしました。
東京駅からビッグサイトまで高速バスで行く
運賃 | 350円(IC利用) |
設備 | 高速バスタイプ、リクライニングシート、トイレ、電源、フリーWi-Fi |
所要時間 | 29分 |
予約は不要で、自由席です。ICで350円、現金で400円なのでIC利用がおすすめ。
のりばは東京駅八重洲口を出てすぐの「JRバス東京駅高速バスターミナル」。
東京駅八重洲口の地上出口を出て右手にある、JRバス系列が主に発着するバスターミナルです。日中は水戸や静岡など中距離高速バスや、成田空港行きのバスなどが頻繫に出ています。
12:30の「東京ビッグサイト方面」がそのバスです。のりばは8番のりば。隣は慌ただしい成田空港行きののりば。
8番のりばは現在日中はこのビッグサイト行きしか出発しないようで、3つ先の便まで表示されていました。
誰もいない列に並びます。乗客はおそらく私一人。他の情報を見ても通常時は乗客は非常に少ないようです。ビッグサイトでの大規模イベント開催時には満席になるのか気になります。
出発5分前ぐらいに乗車するバスがやってきました。茨城県境町のラッピングですが、栃木の車両のようです。
比較的新しい4列リクライニングシートの車両。奥にトイレもあります。快適にビッグサイトまで移動できます。
せっかくなので一番前の席に。小さなテーブルとドリンクホルダー、そして重要なことに電源もあります。
フリーWi-Fiは「JR_Bus_Kanto_FREE_Wi-Fi」。
定刻通り出発。車両は栃木県のJRバス関東佐野支店のバスで、佐野新都市バスターミナル~東京駅を結ぶ「マロニエ東京号」に使われる車両でした。現在一部運休中で、運用の間合いにこの「東京港フェリーターミナル線」に入るのでしょう。ほかにも茨城の車両も使われるようで、柔軟な運用がなされています。
東京駅を出ると八重洲通りをひたすら東に進み、茅場町駅の交差点で右折して八丁堀へ進みます。一般道を高速バス車両でノンストップで進むのは悠々自適で楽しいものです。築地場外市場は平日にもかかわらず大混雑していました。
新大橋通りを旧築地市場のところで左折し、環二通りに入ります。
築地大橋を渡って勝どきエリアへ。
黎明大橋を渡って晴海エリアに入ります。運河ギリギリまで建つタワーマンションの景色は圧巻です。臨海地区は景色の移り変わりが楽しく、車窓を見ていて飽きません。観光にも使えるような路線です。
豊洲からゆりかもめの下を走り、りんかい線国際展示場駅に到着です。もちろん乗降はなし。のりばははとバスも使う2番のりば。
国際展示場駅をでるとビッグサイトはすぐ。13時ちょうどに東京ビッグサイトに到着です。使用するバス停は横浜行きなども発着する1番のりば。
バスはこの先東京港フェリーターミナルまで向かい、すぐに折り返して再び東京駅へ向かいます。
快適な30分間でした。朝夕の便は国際展示場付近への通勤にも使えますし、イベント開催時やフェリー乗船時には間違いなく便利な交通手段となるでしょう。日中はこのようにガラガラでしたが、本数も多く景色のいい路線なので、観光や気分転換にすごくいいなと思いました。
東京駅からビッグサイトまで路線バスで行く
続いて路線バスでの東京駅~ビックサイトアクセスを検討します。
東京駅〜ビックサイト間の路線バスには、東京駅丸の内南口バスのりばから出る都営バス「都05-2」系統と、先ほどの高速バスと同じ東京駅八重洲口から出る都営バス「東16」系統の2種類があります。
丸の内南口発着のバスは勝どき経由で所要時間40分ほど、八重洲口発着のバスは豊洲経由で所要時間44分ほど。丸の内南口発着の方が所要時間が短いのでこちらに乗ることに。
運賃 | 210円 |
設備 | 一般の路線バス(燃料電池バスが入ることもある)、フリーWi-Fiなし |
所要時間 | 東京駅丸の内南口発着の「都05-2系統」は約40分 東京駅八重洲口発着の「東16系統」は約44分 |
「都05-2」系統ののりばは、東京駅丸の内南口改札を出てすぐにある都営バスのバスターミナル1番のりば。
「東16」系統ののりばは東京駅八重洲口を出てすぐのJRバス東京駅高速バスターミナル内で、高速バスの一つ奥に都営バスが使うのりばがあります。東京ビッグサイト行きは10番のりば。
今回は東京ビッグサイトから東京駅丸の内南口まで都営バス「都05-2」系統に乗車します。
6番のりばから出発。どちらも本数は多く、頻繫にやってきます。
乗車時は私一人でしたが、有明地区や豊洲地区で立ち客も出るほどの混雑に。都営バスの重要な路線の一つです。
この路線も車窓がよく、可動橋で有名な勝鬨橋を通過します。
銀座の中心部を通り、乗ってきた客の大半が降りていきました。
有楽町では新幹線を眺めます。こちらでも降車多数。
終点の東京駅には1分遅れで着きました。均一運賃なので全区間乗ってもたったの210円。
乗り心地はもちろん高速バスのほうが勝りますが、所要時間は10分ほどしか変わらず、運賃はたったの210円なので、なによりもまず安く行きたい人にはおすすめです。
東京駅からビッグサイトまで鉄道利用で行く
東京駅からビッグサイトまではもちろん鉄道でも移動できます。東京ビッグサイトの最寄り駅はゆりかもめの「東京ビッグサイト駅」ですが、りんかい線の「国際展示場駅」も利用可能です。
東京ビッグサイト駅へ(ゆりかもめ利用)
運賃 | 524円(IC) |
所要時間 | 乗り換えにもよるが最短30分 |
経路 | 東京駅からJR線で新橋駅、ゆりかもめに乗り換え |
国際展示場駅へ(りんかい線利用)
運賃 | 440円(IC利用) |
所要時間 | 乗り換えにもよるが最短で18分 |
経路 | 東京駅から京葉線で新木場駅、りんかい線に乗り換え ※ビッグサイトへは徒歩10分ほど |
りんかい線利用の方が安く、乗車時間も短いですが、国際展示場駅からビッグサイトまで歩く必要があります。また、どちらも乗り換えが必要です。ゆりかもめの東京ビッグサイト駅はビッグサイトまで直結ですが、ゆりかもめの車体は小さく、短いので、大きな荷物があると面倒かもしれません。ただ、やはり本数が多いのと定時性の点で鉄道利用に利点があります。
まとめ
こうして比較してみると、時間は高速バス、路線バス、鉄道ともほぼ変わらずで、運賃は路線バスが圧勝。快適さではリクライニングシートでフリーWi-Fiや電源までついてゆったりと行ける高速バスが圧勝。値段も350円と、鉄道に比べて安いのはもちろんのこと、路線バスと比べても+140円とお手頃。特に、スーツケースなど大きな荷物がある時や、荷物が多いときには非常に助かるのではないでしょうか。
ビッグサイトや国際展示場方面に行かれる際は時刻等を確認の上ぜひ利用してみてください。
【追記】2024年現在、JRバス関東「東京港フェリーターミナル線」は大幅に本数を減らし、5.5往復で運転されています。詳しくは時刻表をご覧ください。
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